4.エルサレム帰還後の神殿礼拝の復興
本論1 旧約時代における「新しい歌」と礼拝様式の変遷<4>
4. エルサレム帰還後の神殿礼拝の復興(第二神殿の建設)・・祭司・律法学者エズラの改革
(1) 第一次帰還 (BC538, 約5万人―成人男子のみ)
◆エルサレムのソロモン神殿はバビロンによって崩壊したが、神はペルシャの王クロスによって、イスラエルの民をエルサレムに帰還させて神殿を再建させようとした。そのときのリーダーは総督ゼルバベルと大祭司ヨシュアであった。彼らは神殿の基礎を築くが、困難のゆえに中断する。15年の空白の後、520年工事は再開され、516年に第二神殿が完成する。
(2) 第二次帰還 (BC458, 1200人)
◆大祭司アロンの直系であり、律法学者としてひいでていたエズラは、礼拝をかつてのソロモン神殿時代に回復させ、また、シナゴーグによって培われた律法による教育によって神の民を再建させるべく改革した。このとき以来、人々は偶像礼拝をしなくなったのである。
◆エズラは「歴代誌」の著者だとされている。神の民を礼拝する民として、そのアイデンティティを確立させるために、ダビデの幕屋礼拝の精神に立ち返るべくこの「歴代誌」を記したと思われる。
(3) 第三次帰還 (BC444)
◆ネヘミヤはエルサレムに帰還し、城壁の再建を成し遂げた。ネヘミヤはエズラと共に、律法と神との契約を更新することにより、神の民の再建に力を尽くした。