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5. 最初の王となったサウルの光と影

歴史書(1)の目次

5. 最初の王となったサウルの光と影

はじめに

  • 預言者サムエルの歴史的役割は、イスラエル独自の王制の理念を規定し、成文化することであった。サムエル記の著者は、最初のサウルとダビデの選びを通して、イスラエルにおける王の理想像がどのようなものであるかという明確な意図をもって書かれている。結論を先に言うならば、イスラエルにおける王の理想像とは「牧者の心をもった王」なのである。

1. イスラエルの最初の王、サウル王の光と影   

  • サウル王は人間的に見るならば、まことに「気の毒な人」の一語に尽きる。しかしサウルの光と影の人生から実に多くのことを学び取ることができる。良い面も悪い面も・・・。
  • 彼は肉体的にも精神的にも申し分ない人であったが、霊的(信仰的)な面においてはそうではなかった。彼は王として選ばれたために、必然的に、信仰的なものが厳しく要求される立場に立たされた。この点が諸外国の王とは異なる点である。この点をサウルがどのように受け止めていくかが、彼に課せられた課題であった。
  • (1) 王となったいきさつ・・神の確かな導き(9章)

    ①<失望するような状況が思いがけない方向へと進展する>
    サウルは父から頼まれて行方不明になったろばを、若いしもべを連れて探しに出かけたに過ぎなかった。ところがどんなに探してもろばは見つからなかった(4節)。しかし「はからずも」、その背後に神の摂理があった。若いしもべの気転によって、サウルは神の人と出会う結果となる。一方、神の人サムエルもその前日に王となるべき人と出会うという神の御告げを受けていた。


    ②<神の導きの不思議さ>⇒使徒の働き11~12章。16章を参照。
    「人には多くの計画がある。しかし主のはかりごとだけがなる。」(箴言19章21節)  私たちは祈り深く計画を立てる必要があるが、たとえ計画の通りにならないとしても失望することはない。大切なことは、自分の考えや計画に固執せず、いつも柔軟な心を備えていることである。

     
  • (2) 機会(チャンス)を生かしたサウロ(11章)

    ①サウロが王として選ばれた目的ははっきりとしていた。それはイスラエルを脅かすペリシテ人と戦って、イスラエルに平安を与えることであった。サウロは王としての任職の油を注がれたにもかかわらず、彼が民から王としての信任を得るような実績は何も無かった。


    ②そこに思いがけないチャンスがやってきた。まさに「イスラエルの王、ここにあり」ということをあかしする出来事が起こった。その出来事とはアモン人との戦いである。サウルは聖なる怒りに燃えた。そして彼の呼びかけに従って総勢33万人の民が結集し、勝利を治めた。これによってサウルは王としての実績を民から正式に認められた。しかしこの信任は神から見るならば危ういものであった。


  • (3) 王位を退けられたサウロの問題性(13~15章)

    ①<ペリシテ人との戦い>

    • 13章を境にサウロ王は急速に降下していく。宿敵ペリシテ人との戦いにおいて、敵の勢力を見たイスラエルの民は人間的には勝ち目のない戦いであることを悟り、3千人の兵士が次々と脱落していき、ついに6百人しか残らなかった。

    ②<不安ゆえの決断と行動>

    • サウ王がサムエルから「あなたは何と言うことをしたのか」と怒鳴られ、しかも「あなたの王国は成り立たない」と将来を否定された。その理由は恐れのゆえ(不安のゆえ)である。不安を吹き消すためにサウロは指示を待つことなく意を決した。不安であることが、どうして王位を退かせられる理由となるのか。それは恐れの霊が信仰の霊を締め出し、神への信頼を無にすることだからである。ここにサウロのイスラエルの王としての致命的な欠陥があった。「神への信頼のないあなた王国は立たない」というのがサウロに対する神の結論であった。

    ③<不安がもたらす様々な諸相>

    • ⅰ. 自己弁護(13章11~12節)  
    • ⅱ. 権威の自己顕示
      ペリシテ人との戦いにおいて勝利の突破口を開いた息子ヨナタンに対する態度、すなわち<宣誓>の強要に見られる権威の自己顕示。
    • ⅲ. 不従順
      マレク人との戦いにおいて、主のことばを退け、聖絶すべきものを聖絶しなかった。不従順は偶像礼拝の罪に等しい。(15章22~23節)
    • ⅳ. 自己本位(15章15、20~21、30節)

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