5.旧約時代の<新しい歌>としての詩篇
本論1 旧約時代における「新しい歌」と礼拝様式の変遷<5>
5. 旧約時代の「新しい歌」としての詩篇
(1) 詩篇の編集形成の過程
◆旧約時代の「新しい歌」はすべて詩篇として集約されている。そうした形に至るまでには何度かの編集作業を経たと考えられる。その多くは、ダビデ・ソロモンの時代に集成されたものと思われる。またヒゼキヤ王やヨシヤ王の礼拝改革の際に補充され、捕囚後に現在の形に編纂されたと考えられる。この間、少なくとも6世紀の年月が費やされている。
(2) 詩篇の奏楽の様式と形態
◆神殿で歌われた「新しい歌」として詩篇の、その旋律と歌の形式、歌い方については、残念ながら今日何も知ることができない。歌と楽器の関係も想像の域を出ない。記録がないからである。