****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

イスラエルの三権分立

【補完11】 イスラエルの三権分立


【聖書箇所】申命記 17章1~20節

日本の三権分立.JPG

ベレーシート

  • 申命記17~18章は、イスラエルの神政政治の統治形態の理念が示されています。日本の政治は、主権を国民とし、憲法を国の土台として行政(内閣)と司法(最高裁判所)のそれぞれが分権を保っています。イスラエルにおいては、主権は人間ではなく神です。その神の統治は律法(みおしえ)を土台とし、神の代理者である王と祭司(さばきつかさ)たちによって民を治めるという統治形態です。
  • その統治形態が正しく実践される場合に、以下の具体的な問題と、王と祭司、および預言者の職責規定について教えています。
    イスラエルの三権分立.JPG
  • 17章では王の職責規定(14~20節)が取り上げられています。また18章では祭司の職責規定(1~8節)と預言者の職責規定(14~22節)が取り上げられています。

1. 「偶像礼拝」という重罪に対するさばきについて(1~7節)

  • 1~7節には、神政政治において最も重い罪である「偶像礼拝」について記されています。「ほかの神々に仕える」という偶像礼拝は神に対する冒涜罪です。この罪が訴えられた場合、「よく調査する」ことが求められています。もしこの悪事が事実であると判明したならば、だれであろうとも(男でも女でも)、町の広場に連れ出し、石で打たなければならないというものです。つまり、公開処刑です。ただし、決してひとりの証言によって死刑にしてはならず、ふたりの証人、または三人の証言によらなければ処刑することはできませんでした。
  • この教えはイェシュアも知っていて、自分を殺そうとするユダヤ人に対して次のように述べています。

【新改訳改訂第3版】ヨハネの福音書5章31~32節
31 もしわたしだけが自分のことを証言するのなら、わたしの証言は真実ではありません。
32 わたしについて証言する方がほかにあるのです。


●「わたしについて証言する方がほかにある」とはどういうことでしょうか。バプテスマのヨハネは真理について証言しましたが、彼は人です。ですから、「わたしにはヨハネの証言よりもすぐれた証言があります。」(ヨハネ5:36)と言って、その証言者が「御父」であることを語っています。イェシュアがなされるわざ(教えや奇蹟のみわざ)そのものを通して、御父が自分を遣わしたことを証言しているとしています。

●イェシュアを御父が遣わしたことを証言するものがもうひとつあります。それは「聖書」(=旧約聖書)です。その聖書が自分のことを証言しているとイェシュアは述べています(同39節)。


2. 罪のさばきの最終判決の権威者は祭司とさばきつかさ(8~13節)

  • さまざまな争いごと(流血事件、権利の訴訟、暴力事件)が起こり、さばき切れない時、主の選ぶ場所(中央聖所)に行き、レビ人の祭司たち、あるいはそのとき立てられているさばきつかさたちから判決のことばを受けること。その判決は律法に基づく最終的な判決であり、神的権威を持っているゆえに、その判決に聞き従うべきことが教えられています。もし不遜なふるまいをするならば、その者は死ななければならないとされています。このようにして、イスラエルの民が主を恐れて正しく歩むために、モーセは神から聞いたことを語っています。

3. 王の職責規定(14~20節)

  • イスラエルの民が約束の地カナンを占領してその地に住むようになってから、周りの国々と同様に王を求める時代がやってくることを見越した預言的な教えです。その場合、王の職責について以下のことが語られています。

(1) 自分のために決して馬を多くふやしてはならないこと(16節)。
(2) 多くの妻を持ってはならないこと(17節)。
(3) 自分のために金銀を非常に多くふやしてはならないこと(17節)。
(4) 自分ためにみおしえ(律法)を書き写して、自分の手もとに置き、一生の間、それを読むこと(18~19節)。

  • イスラエルの王は他の国々とは異なり、あくまでも神の代理者にしか過ぎません。上記の職務規定を守るならば、長く王国を治めることができると約束されています。このことは今日のキリスト教会においても、然りであると信じます。
  • 国家的な危機の中にあったユダの王ヒゼキヤは、エルサレムがアッシリアの軍勢に取り囲まれていた時に、彼らの脅迫を無視して、なんと「箴言」をまとめていたのです。これがイスラエルの王がすべきことです。危機的な状況においても、神を優先すること、神の知恵を求めること。これが神の代理者としての王の務めであったのです。


2017.10.24


a:2431 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional