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全イスラエルの王となったダビデ

31. 全イスラエルの王となったダビデ

【聖書箇所】 5章1節~25節

はじめに

  • ここにおいて。ダビデは全イスラエルの王となります。ここからはダビデの本領が発揮されていきます。ユダの地で7年半、そしてエルサレムにおいて全イスラエルの王として統治した期間は33年。合わせて40年間統治します。ダビデという人は、自分の立場を押し上げ、勢力を拡大するために、自分の力で画策するような人ではありませんでした。神の約束が成就する時まで、最善の時に、最善の方法をもって導かれる主にすべてをゆだねて、神の時を待った人でした。「待つ」ということは非常に難しい霊的訓練のひとつです。

1. ダビデを全イスラエルの王とするために集結した人々

  • イスラエルの全部族から、ダビデを王とするためにヘブロンに集結しました。彼らは「これまで、サウルが私たちの王であった時でさえ、イスラエルを動かしていたのは、あなたでした。しかも、主はあなたに言われました。『あなたがわたしの民イスラエルを牧し、あなたがイスラエルの君主となる。』」とダビデに言いました。特に、「あなた」(「アッター」אַתָּה青字の部分)が強調されています。
  • まさに神の時がダビデに訪れたのです。そしてダビデ自身もすら予測できないほとに急速にいろいろなことが展開していきます。
  • 「あなたがわたしの民を牧する」とありますが、ダビデは「牧する」(「ラーアー」רָעָה)という事がどういうことか理解できました。なぜなら、彼は神からの召命を受ける前から羊飼いの仕事を任され、それを忠実に果たしていたからです。ダビデの若き時の経験は無駄になることなく、それが新たに生かされることになったのです。それに加えて、ダビテが楽器を奏することができたことは楽器を用いて神を礼拝するという、今までない礼拝改革を実現させました。神の御計画は誰も気付かれないところからすでに着々と始まっていることを思わされます。
  • ダビデが王位に着く記事が歴代誌にも記されています。歴代誌はサムエル記とは異なって視点から歴史が見直されていますが、それと抱きあわせて瞑想することにより、より明確に見えてくることがあります。たとえば、このときダビデを王とするためにヘブロンに集まった人々は、歴代誌によれば32万4千九百人でした。それもみな戦士でした。彼らは三日間ダビデとともに食卓を囲み、大いなる喜びがあったことを記しています。重要なことは、イスラエルの全部族がダビデをイスラエルの王とすることにおいて、「心は一つであった」ということです。これを契機にダビデの生涯はまっしぐらに栄光の高嶺へと上り続けていきます。聖書は「万軍の神、主がともにおられた」と記しています(10節)。

2. エルサレムの地を全イスラエルの中心地としたダビデ

  • ダビデが王となってから最初にしたことは何か。それ政治的、宗教的中心地にふさわしい場所を「エルサレム」と定めたことでした。そこは当時、エブス人が住んでいましたが、ダビデは難攻不落の地と言われた「シオンの要害」を攻め取り、そこを「ダビデの町」としたのです。そして回りに城壁が建てられました。
  • ちなみに、「ダビデの町」は旧約ではエルサレム(あるいはシオン)のことを意味しますが、新約時代においては、ダビデが生まれた育った地である「ベツレヘム」を指します(Ⅰサム16:1, 4, 13/ルカ2:4, 11参照)。混乱が起きないように予め、整理しておきます。
  • また、以下の図の通り、「エルサレム」、「シオン(の要害)」、「ダビデの町」はみな同義です。

画像の説明


3. 王宮の建設とダビデの息子たちの誕生

  • エルサレムにはダビデの王宮が建てられました。ツロの王ヒラムはその資材となる杉材、大工、ならびに石工を送りました。
  • エルサレムに住んでからダビデは多くの息子、娘たちが生まれました。

4. ペリシテ人に勝利するダビデ

  • ダビデが王となったことを知ったペリシテ人は、二度、三度と戦いを挑みました。しかし、ダビデはその都度「主に伺い」、ペリシテ人に勝利していきます。まさにダビデの名声は周囲のすべての国々に及び、主は諸国の民がダビデを恐れるようにしたのでした。

2012.7.17


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