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出エジプト記の重要なキー・ワード主題(目的)

出エジプト2. 出エジプト記の重要なキー・ワード

(1)「贖う」という用語

  • 「贖う」という言葉は三つある。一つは「ガーアル」、二つめは「パーダー」、そして「カーファル」。その中で最も重要なのは「ガーアル」である。その意味は以下の通りである。

① 神がイスラエルをエジプトから救出した行為については、もっぱらこの語が用いられている(6章6節、15章13節)。旧約聖書でこの語がよく用いられる書は、ルツ記とイザヤ書である。これらの書では動詞ガーアルから変化して出来た名詞「ゴーエール」が用いられている。その意味するところは、たとえば、ルツとナオミが落ちぶれて土地を手放してしまうが、自分ではそれを買い戻す力がない。そのときにその人に代って、血縁の人か、身内のだれかが買い戻してやる。その人がゴーエールである。

② 出エジプト記で用いられるガーアルは、神と親しい交わりの中に歩んだアブラハム、イサク、ヤコブの子孫が落ちぶれて奴隷となっていたのをあがなったときに用いられている。それは彼らがひとたび失った権利を再び取り戻すことまでも含んでいる。これが出エジプト記であり、「あがない」の出来事なのである。つまり贖いには「救い出す」ことと「権利回復」という二つの面があることを心に留めよう。

③ 奴隷の民から神の特選の民になること。落ちぶれた境遇から「特権と光栄の身分に移された」こと。これこそが「贖い」であって、「救出」は贖いの消極面、「復権」は贖いの積極面と言える。贖いの消極面だけで腰を下ろし、積極面を忘れるとき、信仰生活がストップすることがある。

(2)「贖いの目的」

神に仕える民(神を礼拝する民)を創造すること(3章12節)

①「仕える」(アーバド)という言葉、「仕える」ということばは礼拝用語である。

a. 使用頻度・・モーセとアロンがエジプトの王パロのもとに行って談判するたびに繰り返し出てくる。⇒「主はこう仰せられる.『わたしの民を行かせ、彼らを私に仕えさせよ』」

b. 名詞「エベド」はしもべ、奴隷という意味。しもべは聖書において理想的な人間像である。イスラエルで最もすばらしい人は「仕えることのできる人」である、神に仕える人こそ最も栄誉ある人と言われる。「神のしもべ」こそ、聖書における神の民として最高の肩書きである。アブラハム、イサク、ヤコブ、モーセ、エリヤ、そしてパウロは神から「神のしもべ」と呼ばれた。

c. イザヤ53章では、メシアがしもべの姿をとって来られることを預言している。ピリピ2章には、しもべのかたちをとって私たちの救いを全うしてくださったイエス・キリストが賛美されている。そのイエス・キリストが「あなたがたの間で上に立つ者は、人に仕える者でありなさい」(マルコ10章44節)と語られている。

d. ローマ書6章15~23節参照。罪の奴隷から義の奴隷(従順の奴隷)へ。サタンの奴隷から神の奴隷へ。あなたの主人はすでに取り替えられている! (出エジプト記21章1~6節参照)。

②「仕える」こと(礼拝すること)ことを妨害するパロの妥協案
神の民は神に仕えることであってこそ本物である。それゆえパロは必死になって妨害する。

a. 〔妥協案その一〕 8章25~28節「行ってもよいが、あまり遠くへ行くな」

b. 〔妥協案その二〕10章8~11節「壮年の男だけ行け」

c. 〔妥協案その三〕10章24~26節「行け。主に仕えよ。ただ羊と牛とは置いていけ」


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