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恩寵用語Ps51(2)

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詩51篇(2) 「ぬぐい去る」 מָחָה マーハー

〔カテゴリー育成〕

51:1「神よ。・・あなたの豊かなあわれみによって、私のそむきの罪をぬぐい去ってください。」
51:9「御顔を私の罪から隠し、私の咎をことごとく、ぬぐい去ってください。」

Keyword; 「ぬぐい去る」wipe, blot out, swept away, 9:5/51:1, 9/69:28/109:13, 14/

  • 「ぬぐい去る」と訳された「マーハー」(מָחָה)は、吹き払う、消し去る、という意味です。神学的には重要な動詞です。神の審判と恩寵それぞれに使われており、旧約聖書では34回、詩篇では6回―そのうちの詩篇51章1, 9節だけが神の恩寵としての「ぬぐい去り」―です。他に、この動詞が神の恩寵として使われている重要な箇所としては、イザヤ書の43章25節, 44章22節をあげることが出来ます。しかも、ここで使われている動詞「マーハー」(מָחָה)は完了形です。ヘブル語ではまだ起こっていない事柄でも将来に確実に起こることを完了形 (預言的完了形とも言われます) で表します。

「わたし、このわたしは、わたし自身のために、あなたのそむきの罪(「ペシャ」פֶּשַׁעの複数)をぬぐい去り、もうあなたの(「ハッタート」חַטָּאתの複数)を思い出さない。」(イザヤ43:25)
「わたしは、あなたのそむきの罪(「ペシャ」פֶּשַׁעの複数)を雲のように、あなたの(「ハッタート」חַטָּאתの複数)をかすみのようにぬぐい去った。わたしに帰れ、わたしは、あなたを贖ったからだ。」(同、44:22)

  • この「マーハー」(מָחָה)が聖書で最初に登場するのは創世記の6章7節です。それは地上に人の悪が増大し、その計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった主が、もう一度地上をリセットすべく、人間だけでなく、すべての被造物に至るまで「地の面から消し去ろう(מָחָה)」と言われました。人間の罪は後の神の民においてもなんら変りないものでした。イザヤ書1章のはじめには、神の民といえども神から離れたときに、どういう状態であったかということをしるしています。

【新改訳改訂第3版】イザヤ書1章2~6節

2 子らはわたしが大きくし、育てた。しかし彼らはわたしに逆らった。
3 牛はその飼い主を、ろばは持ち主の飼葉おけを知っている。それなのに、イスラエルは知らない。わたしの民は悟らない。」
4 ああ。罪を犯す国、咎重き民、悪を行う者どもの子孫、堕落した子ら。彼らは【主】を捨て、イスラエルの聖なる方を侮り、背を向けて離れ去った。
5 あなたがたは、なおもどこを打たれようというのか。反逆に反逆を重ねて。頭は残すところなく病にかかり、心臓もすっかり弱り果てている。
6 足の裏から頭まで、健全なところはなく、傷と、打ち傷と、打たれた生傷。絞り出してももらえず、包んでももらえず、油で和らげてももらえない。

  • 神みずからご自分の子どものようして育てられたにもかかわらず、彼らは背いたのです。しかも、その背きは尋常ではありませんでした。牛でさえも飼い主を知っている、ロバでさえも主人の飼葉おけを知ってる。にもかかわらず、神の民は神に背いたのです。
  • ところが、このような民に対しても、「わたし、このわたしは、わたし自身のために、あなたのそむきの罪をぬぐい去り、もうあなたの罪を思い出さない。」(イザヤ43:25)と神は言われるのです。ダビデもウリヤの妻を自分のものにしようとウリヤを殺害しました。赦されざる罪です。しかしダビデは自分の罪を認め、自分の心の内にある深い闇に気づき、神のあわれみにすがりついて、「私のそむきの罪をぬぐい去ってください。」と祈っているのです。
  • 先のイザヤ書43章25節では「わたし、このわたしは」と言って、わたし自身のために、あなたのそむきの罪をぬぐい去り、もうあなたの罪を思い出さない。」と約束しています。この約束はやがて神の御子イエス・キリストの十字架の血による贖いによって実現しますが、「わたし、このわたしは」というきわめて強い表現によって断言されているのです。ヘブル語では「アーノーヒー(אָנֹכִי)・アーノーヒー(אָנֹכִי)・フー(הוּא)」という表現です。これはイザヤ書51章12節にも見られます。「わたし、このわたしは」という方の熱心によって、私たちのしでかした罪をぬぐい去っていただけるのです。

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