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恩寵用語Ps64

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詩64篇 「射掛ける」 יָרָה ヤーラー

〔カテゴリー統治〕

7節「しかし神は、矢を彼らに射掛けられるので、彼らは、不意に傷つきましょう。」

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  • 「射掛ける」と訳されたヤーラー(יָרָה)は、詩25篇でも取り扱いました。しかしそこでは「教える」と訳されたヤーラー(יָרָה)でした。ヤーラーは大きく分けて三つの意味があります。
  • 第一は、「教える」という領域で、それは罪人に、主を恐れる者に、行くべき道(単数)を教えるという意味(詩5:8, 12/27:11/32:8/45:4/86:11/119:33, 102)。
  • 第二は、水を注いで地を「潤す」という領域(箴言11:25、ホセア6:3)。
  • 第三は、神のさばきとしての領域で、「投げ込む」(出15:4)、「(矢を)射掛ける、射抜く」(詩11:2/64:4,4, 7)という意味です。
  • 詩64篇では3回、ヤーラー(יָרָה)が使われていますが、最初の二つは、悪を行う者たちが全き人を陥れるためにことばをもって射掛けるという意味で使われています。しかし残りの一つは、神が陰謀を図る者たちに対して、不意に、突然、思わぬ形で「矢を射掛けられる」とあります。それによって神は一発で彼らの陰謀を阻止されるのです。
  • イエス・キリストも律法学者とパリサイ人たちの共謀によって矢を射掛けられたことがありました。姦淫の場で捕えられたひとりの女がイエスのもとに連れて来られて、「モーセの律法ではこういう女は石打ちにするように命じている。ところで、あなたは何といわれます。」と詰問されました(ヨハネの福音書8章5~9節)。これはイエスを告発するための彼らの陰謀でした。これに対してイエスはどう対処されたでしょうか。イエスは沈黙を保っていましたが、しつこく問い続ける彼らに対してこう言って彼らに矢を射掛けられたのです。「あなたがたのうちで、罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。」
  • すると彼らは年長者たちから、ひとりひとりとその場を立ち去り、最後にはだれもいなくなってしまいました。これこそが「矢を射掛け」るということです。律法学者とパリサイ人たちの告発は、イエスの語った一言で、しかも、予期せぬ形で、不意に封じられたのでした。こうしたイエスの「射掛ける」例は、ルカ20:1~8やマルコ12:13~17にも見ることができます。
  • もし私たちが、他の人々が共謀して不意に告発されたならどうでしょう。おそらく深く傷ついてしまうことでしょう。しかし、この詩64篇の作者のように、「神よ。・・恐れるべき敵から、私のいのちを守ってください。」と祈るべきです。「守る」というナーツァルは。特定の人に対して、きわめて注意深くガードすることを意味します。
  • 神は私たちを守り、かくまい、ある時は、私たちを通して敵に「矢を射掛ける」ことばを与えてくれる方です。これは敵に対してはさばきをもたらしますが、主に身を避ける者にとっては十分な恩寵です。そんな方が私たちの味方であってくださることに、心から喜び、誇りたいと思います。

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