教会という奥義(エペソ2章20節の「要の石」を巡って)
2.付記. 教会という奥義(エペソ2章20節の「要の石」を巡って)
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【新改訳2017】 エペソ書 2章20節
使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられていて、キリスト・イエスご自身がその要の石です。【新改訳改訂第3版】エペソ書 2章20節
あなたがたは使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です。【新共同訳】エフェソ書2章20節
使徒や預言者という土台の上に建てられています。そのかなめ石はキリスト・イエス御自身であり、【聖書協会共同訳】エフェソ書2章20節
あなたがたは使徒や預言者から成る土台の上に建てられています。その隅の親石がキリスト・イエスご自身でり、【口語訳】エペソ書2章20節
またあなたがたは、使徒たちや預言者たちという土台の上に建てられたものであって、キリスト・イエスご自身が隅のかしら石である。●英語では、Chief cornerstone, cornerstoneと訳しています。パウロがこの語彙使っているのは、エペソ書2章20節のみです。この語彙こそキリストの奥義を表わしているのです。
ベレーシート
●【新改訳2017】に「要の石」という語彙が旧約に3回、新約に6回出て来ます。ヘブル語では「ローシュ・ピンナー」(רֹאשׁ פִּנָּה)、あるいは「エヴェン・ハッピンナー」(אֶבֶן הַפִּנָּה)。ギリシア語では「アクロゴーニアイオス」(ἀκρογωνιαῖος)が使われています。このギリシア語は新約聖書ではもう一箇所、Ⅰペテロ書2章6節に使われています。ここはイザヤ書28章16節からの引用がなされており、「見よ、わたしはシオンに、選ばれた石、尊い要石を据える。この方に信頼する者は、決して失望させられることがない。」とあります。
●ギリシア語の「アクロゴーニアイオス」(ἀκρογωνιαῖος)について、織田昭氏は「新約聖書ギリシア語小辞典」で次のように説明しています。
(ἀκρος, 先端の+γωνια,角、隅)。角の先端にある, 角張った極点をなす。
①要(かなめ)石・・英語でKeystone.おそらく建物の重要なアーチ部分の要で石の全重量を支える石、施工時に最期に置かれたもの。
②基礎の角の石、英語ではcornerstone.●パウロは①の意味で使っています。