現実を正しく認識し、問題を自分の重荷として受け留める
本論〔1〕 ネヘミヤのリーダーとしての資質 (2)
【聖書箇所】ネヘミヤ記1章~2章
2. 現実を正しく認識し、問題を自分の重荷と受け止める
- 「泣き、・・断食して祈った」
(1) 現実の正しい認識
- リーダーにとって現実の問題を正しく認識することは大切なことである。ネヘミヤはエルサレムの城壁が神殿完成後、70年間、今だに城壁が崩されたままであることを知った。城壁が崩れているという現実は、敵に対して全くの無防備な事態を意味する。ネヘミヤはその背景に自分の同胞が困難な状況にあることを知って、心を痛めた。
→マタイ9章36節参照。イエスは「羊飼いのない羊のように倒れている群衆を見て、かわいそうに思われた。」
(2) 聖なる憤り
- その心の痛みとは、神の御名が辱められているという現実に対する聖なる憤りでもあった。
→アテネにおけるパウロの偶像に対する聖なる憤り(使徒17章)参照。
(3) 現実の問題を自分の問題とする
- ネヘミヤは現実の問題を自分の問題として捉えた。神の家は連帯的なものである。自分の所は大丈夫という発想はしなかった。自分のところが良くても、他のところで城壁が崩れているならば、依然として神の御名はそしりを受け、御名は汚されているのである。人事として考えているうちは涙はない。
(4) 解決のために献身する
- ネヘミヤは現実の問題を自分のこととして捉えただけでなく、もし神が望まれるならば、その問題の解決のために、自らをささげてもいいという心備えをした。(1章11節)