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瞑想Ps9/A

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瞑想Ps9/A

  • この詩9篇のキー・ワードを、私は1節の「私は・・・あなたの奇しいわざを余すところなく語り告げます」にある「奇しいわざ」という言葉に焦点を当てたいと思います。その理由は、この語句を検索してみると、詩篇の中で実に29回も使われており、詩篇全体にちりばめられているからです。そしてその最初に登場するのがこの詩9篇です。したがって、これから何度もこの語句に出会うことになります。今朝は、この「奇しいわざ」という視点から詩9篇を味わってみたいと思います。
  • 「奇しいわざ」(新改訳)を口語訳では「くすしきみわざ」、新共同訳では「驚くべき御業」、LBでは「目を見張るばかりのお働き」、関根訳(岩波文庫)では「妙なる御業」となっています。wonderful 、marvelous な things, works, acts です。その内容は詩篇によって異なりますが、今朝の詩9篇に限っていうなら、それは神のさばきの不思議さという点においてです。
  • ダビデは4節で「私の正しい訴えを支持し、義の審判者として王座に着かれる」主に感謝し、その方を喜び、賛美しています(1、2節)。そして、正義と公正をもって世界をさばかれる神を「とりで」として拠り頼んでいます。詩7篇でもダビデは「神は正しい審判者」(11節)として、その御名を賛美しています。
  • テレビ番組で『水戸黄門』という時代劇が長年続いています。内容は決まってワン・パターンでありながら、なぜ人気を保っているのか、と考えさせられます。私はこの番組を見ることは滅多にありませんが、勧善懲悪の世界観は人々の心の中になにかスッキリとさせるものがあるようです。ストレスの多いこの時代、不正と不義がはびこる社会の中で、また、不条理な出来事の多い中で、はっきりと白黒をつけてさばいてくれるこの番組は、私たちの心の中にあるモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれる何かがあるのだと思います。もし、一回、一回、白黒をはっきりとつけてくれなければ、視聴率は格段と下がるに相違ありません。
  • 詩9篇に見られる神のさばきの不思議さは二つあります。
    その一つは、主に信頼し、主を求める者を主は決して見捨てないということです。
    もう一つは、神に敵対する者は、必ず滅ぼされ、あとかたもなく消し去られるということです。それは「自滅する」というかたちで終結します。これらの原則こそ、神のさばきの妙であり、「奇しいわざ」のひとつです。
  • 「国々はおのれの作った穴に陥り、おのれの隠した網に、わが足をとられる」(15節)、「悪者はおのれの手でつくったわなにかかった」(16節後半)とあります。この「自滅の原則」は詩7篇14~16節にもみられますが、そこでは他人を落とそうと計画して穴を掘っている最中に、自分がそこに落ち込んでしまったことが述べられています。こうした自滅の例は聖書の中に数多くあります。たとえば、ユダヤ人モルデカイを陥れようとしたペルシャ王の側近ハマン(エステル記)、あるいは、王の寵愛を受け続けるダニエルを妬んで陥れようとした敵がその良い例です。彼らはそれぞれ自分の設けた穴に陥りました。  
  • もし私たちを脅かす者に対して、私たちが戦おうとするなら、やがて疲れ果て、敗北するに違いありません。しかし私たちが主を「しいたげられた者のとりで、苦しみのときのとりで」(9節)としてその御手の中に身をおくならば、敵はその悪のゆえに勝手に自滅していくのです。これが神のさばきです。
  • この「自滅の原則」は、他の詩篇の箇所にも見られます(63篇9~10節、64篇8節、等)。この原則を知りつつ、義の審判者である主を自分の「とりで」とするなら、主がさばきをおこなってくださると信じます。使徒パウロもローマ人への手紙8章で「神が私たちの味方であるなら、だれが私たちに敵対できるでしょう。」(31節)と語っています。だれも敵対することはできないのだという強い確信が述べられています。また、12章では「愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。」(19節)とも語っています。
  • <防衛を保障する主なる神>・・・この方に拠り頼むことによって、神の「奇しいわざ」を、その「妙なる御わざ」を、私たちの生涯において余すところなく語り告げていく者となりたいものです。

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