礼拝用語Ps13
Ⅰ/A(1~41篇) | テキストPs13 | 原典テキストPs13 | 瞑想Ps13/A | 瞑想Ps13/B | 恩寵用語Ps13
詩13篇「歌う」 שִׁיר シール
〔カテゴリー賛美〕
6節「私は主に歌います。主が私を豊かにあしらわれたゆえ。」
Keyword; 「歌います」sing 21:13/27:6/33:3/57:7/59:16//65:13/68:4,32/96:2/98:1/149:1
- シール(שִׁיר)は、主に向かって賛美や感謝の歌を「歌う」こと、これこそ神の民の特異な面です。ダビデの時代の以前において、神の民が主に対して歌った「新しい歌」があります。その歌の記述は出エジプトの出来事の後です。モーセとイスラエル人は以下のような勝利の歌を歌いました。「主に向かって私は歌おう。主は輝かしくも勝利を収められ、馬と乗り手とを海の中に投げ込まれた。」(出エジプト15章1節)
- モーセの姉ミリアムもタンバリンを手に取り、女たちの踊りの先頭に立ちながら、同じく「主に向かって歌え。主は輝かしくも勝利を収められ、馬と乗り手とを海の中に投げ込まれた。」(同、21節)と歌いました。この時代の歌はリズム楽器によって伴奏されたようです。以後、神の偉大な御業を経験した民たちは神の御業のストーリーを語り、歌をもって主に賛美することとなるのです。
- 士師記5章のデボラも同様、勝利の歌を歌いました。
「その日、デボラとアビノアムの子バラクはこう歌った。『「イスラエルで髪の毛を乱すとき、民が進んで身をささげるとき、主をほめたたえよ。聞け、王たちよ。耳を傾けよ、君主たちよ。私は主に向かって歌う。イスラエルの神、主にほめ歌を歌う。・・・キション川は彼らを押し流した。』」(1~3節、21節)
- シール(שִׁיר)の類義語としては、
「賛美します」「ほめたたえます」の「ハーラル」(הָלַל)、「ヤーダー」( יָדַה)、 「シャーバフ」(שָׁבַח)、 「バーラフ」(בָּרַךְ)、 「ルーム」(רום)、 「ザーマル」(זָמַר) があります。
「ハーラル」(הָלַל)はもともと「輝く」「誇る」という意味で、派手に、にぎやかに、主を賛美し、ほめたたえるという意味があります。
「シァーヴァハ」(שָׁבַח)もどちらかというと、大きな声を上げて、叫ぶように賛美する言葉です。
「バーラフ」(בָּרַךְ)は神の前にひざまずき、静まって賛美する意味合いのことばです。הָלַלやשֵׁבַחとは異なり、声を出さないということが特長です。
「ヤーダ」(יָדַה)は、感謝をこめて、手を高くかかげて賛美するという意味の言葉です。手を挙げるという行為は、神から来るものを受け取るという信仰の告白的行為であり、神への降伏、あるいは神にささげるという意味合いがあります。
- 詩13篇の作者が「主に歌う」(I will sing)のは、「主が私を豊かにあしらわれたゆえ」としています。「豊かにあしらわれた」というガーマル(גָמַל)は「乳離れする、実を結ぶ、熟す、報いを与える」という意味で、treat, receive, reward と訳されます。