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礼拝用語Ps66

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詩66篇「伏し拝む」שָׁחָה シャーハー חָוָה ハーヴァー

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4 節「全地はあなたを伏し拝み、あなたにほめ歌を歌います。」(新改訳)
4 節「全地はあなたを拝み」(口語訳)
4 節「全地はあなたに向ってひれ伏し」(新共同訳)

Keyword; 「伏し拝む、ひれ伏す」 bow down, worship,
22:27, 29/29:2/45:11/66:4/72:11/81:9/86:9/95:6/96:9/97:7/99:5, 9/106:19/132:7/138:2

  • 「伏し拝み」と訳された原語はイシュタハヴー(יִשְׁתַּחֲוַוּ、三人称男性複数形、未完了形、ヒットパエル形)となっています。ヒットパエル形とは、相互に及ぼし合う行為を表わしたり、自分からより主体的な行為として表わしたりする動詞の語態のようです。シャーハー(שָׁחָה)のように שׁで始まる動詞のヒットパエル形では、שׁתが入れ替わってיִשְׁתַּחֲוַוּとなるようです。このへんは少々やや難解なヘブル語文法です。(片山徹著「旧約聖書ヘブライ語入門」p.92-93参照)
  • 口語訳聖書のコンコルダンス(教文館)の原語索引では、原語は「シャーハー」(שָׁחָה)となっていますが、New International VersionのThe Hebrew-Englishコンコルダンス(Zondervan)では、原語(三人称男性単数完了形)が「ハーヴァー」(חָוַה)となっています。果たしてשׁはいったいどこに消えてしまったのか、はじめてぶつかった疑問だらけの動詞です。ここでは、「ハーヴァー」(חָוַה)で一本化したいと思います。日本コンピュータ聖書研究会のヘブル語のソフトでも、「ハーヴァー」(חָוַה)で統一しています。
  • 「ハーヴァー」(חָוַה)は、本来「かがむ」「おじぎをする」という挨拶用語です。それがヒットパエル形の語態では、「拝む、敬意を表わす、拝する、ひざまずく、ひれ伏す、伏し拝む、伏す、身をかがめる、礼拝する」という意味になります。しかも、詩篇では公的な意味で使われています。
  • 類義語としては「カーラ」(כָּרַע)があります。ひざをつくという意味から「ひれ伏す」と訳されます。もう一つは「バーラフ」(בָּרַךְ)で「ひざまずく」と訳されています(詩篇では1回限り)。この「バーラフ」は賛美・祝福を意味する動詞とは同音異語です。旧約の礼拝観を教えている詩篇95篇には、この三つの語彙がすべて登場します。「来たれ。私たちは伏し拝み(חָוַה)、ひれ伏そう(כָּרַע)。私たちを造られた主の御前に、ひざまずこう(בָּרַךְ)。」と。
  • イスラム教の人々がするように、「ひれ伏して」神を礼拝する行為はキリスト教の礼拝ではあまり見られません。しかし、旧約時代の人々は主の前に「ひれ伏して」伏し拝んだようです。主に対する真の敬意がなければとてもできない行為です。旧約の人々は神を礼拝するときに、手を上げ、手をたたき、声を上げ、踊り、ひざまずいたりしながら、神への信仰を表したようです。彼らにとってそれはきわめて自然のことであり、特別なことではなかったのです。敬意を伴った礼拝の行為とは密接な関係にあるのかもしれません。

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