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詩篇89篇(改)

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詩篇は、神と私たちの生きた関係を築く上での最高のテキストです。

12. 詩篇89篇に見るメシア (改)

ベレーシート

●詩篇89篇がメシア詩篇であるゆえんは、ルカの福音書1章26~33節で、御使いガブリエルが処女マリヤに告げた受胎告知の中にあります。

【新改訳2017】ルカの福音書1章30~33節
30 すると、御使いは彼女に言った。「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。
31 見なさい。あなたは身ごもって、男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。
32 その子は大いなる者となり、いと高き方の子と呼ばれます。また神である主は、彼にその父ダビデの王位をお与えになります
33 彼はとこしえにヤコブの家を治め、その支配に終わりはありません。」

●イェシュアの誕生は、神がダビデとその子孫に対して結ばれた契約に基づくものです。ダビデと結ばれた契約は、王国、王家、王座に関する約束であり、それはダビデとその子孫に永久に(無条件的に)与えられたものです。そのダビデ契約は主が預言者ナタンを通して語られたものです。Ⅱサムエル記7章11~17節に記されています。

【新改訳2017】Ⅱサムエル記7章11~16節
11 それは、わたしが、わが民イスラエルの上にさばきつかさを任命して以来のことである。こうして、わたしはあなたにすべての敵からの安息を与えたのである。主はあなたに告げる。主があなたのために一つの家を造る、と。
12 あなたの日数が満ち、あなたが先祖とともに眠りにつくとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子をあなたの後に起こし、彼の王国を確立させる。
13 彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。
14 わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。彼が不義を行ったときは、わたしは人の杖、人の子のむちをもって彼を懲らしめる。
15 しかしわたしの恵みは、わたしが、あなたの前から取り除いたサウルからそれを取り去ったように、彼から取り去られることはない。
16 あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。』」

●12節の「あなたの身から出る世継ぎの子(単数)」とは、「ダビデの子」として生まれたイェシュアによって成就しました。

●詩篇89篇におけるメシアの称号は、
4節の「あなたのすえ(あなたの子孫)」(ザルエハー:זַרְעֶךָ)。
29節の「彼の子孫」(ザルオー:זַרְעוֹ)。
いずれも単数。また、人称語尾の「あなた」と「彼」はダビデのことを指しています。

1. ダビデ契約の特徴

ダビデ契約の特徴が1~2節、および3~4節に簡潔に記されています。

(1) 「恵み」(ヘセド)と「真実」(エメット)

【新改訳2017】詩篇89篇1~4節
1 私は主の恵みをとこしえに歌います。あなたの真実を代々限りなく私の口で知らせます。
2 私は言います。「御恵みはとこしえに打ち立てられあなたはその真実を天に堅く立てておられます。」
3 「わたしはわたしの選んだ者と契約を結びわたしのしもべダビデに誓う。
4 わたしはあなたの裔をとこしえまでも堅く立てあなたの王座を代々限りなく打ち立てる。」セラ

●ここに記されているダビデ契約の特徴は大きく二つあります。一つは、主の「恵み」と「真実」に基づくものであること。もう一つは、主によって「とこしえに打ち立てられ」「天に堅く立てておられる」ことです。

画像の説明

●第一の主の「恵み」と「真実」という組み合わせは、この詩篇において顕著です。「真実」(エムーナー:אֱמוּנָה)は過去との関連で語られ、決して神の約束は破られないことを意味する語彙です。「恵み」(ヘセド:חֶסֶד)は将来との関連で語られ、無条件的な契約であることを示唆しています。

●89篇での「恵み」は、1, 2, 3, 5, 14, 24, 28, 33, 49節に7回、「真実」は1, 2, 3, 5, 8, 24, 28, 33, 37, 49節の19回が使われています(ただし、28, 37節は動詞の「アーマン」(אָמַן)の受動分詞が使われています)。

●第二の「建てられ」と「堅く立てられ」は、「バーナー」(בָּנָה)と「クーン」(כּוּן)です。「主が家を建てるのでなければ」の「建てる」は「バーナー」(בָּנָה)で、初出箇所は神が「人から取ったあばら骨をひとりの女に造り上げ」の「造り上げる」という箇所に使われています。結婚の奥義の中に、神と人とが住む神の家、神の王国、神の都が建てられることが啓示されています。一方の「クーン」(כּוּן)は、堅く立てられ、ゆるぐことがないことを意味しています。

●89篇での「打ち立てられる」は2, 4節の2回。「堅く立てられる」は、2, 4, 21, 37節で4回が使われています。以上のような特徴が、詩篇89篇19~37節ではさらに詳しく記されているのです。特に、27~29節は重要です。

【新改訳2017】詩篇89篇27~29節
27 わたしもまた彼をわたしの長子地の王たちのうちの最も高い者とする。
28 わたしの恵みを彼のために永遠に保つ。わたしの契約は彼にとって確かなものである。
29 わたしは彼の子孫をいつまでも彼の王座を天の日数のように続かせる。


2. ダビデ契約はイェシュアの再臨によって成就する

●ダビデ契約における恵みは決してもぎ取られることはありませんが、もし、ダビデの子孫たちが主の教えを捨てて、主の道を歩かないならば、主は杖とむちをもって彼らのそむきの罪と咎を罰するとしています(89:30〜32)。

●ダビデ契約はイェシュアが王としてこの地を統治されるという約束です。1945年、イスラエルが復興し、多くのユダヤ人が約束の地であるイスラエルに帰還していますが、いまだイェシュアをメシアとして信じることができない状態にあります。そのために、やがて「ヤコブの苦難の時」(エレミヤ30:7)が待ち受けているのです。しかしその後に、イェシュアは王の王、主の主として再臨され、この預言を成就されるのです。

2025.4.04
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