詩1篇の修辞(2)
詩1篇(2) 「風に吹き散らされるもみがら」
- 「風に吹き散らされるもみがらのようだ」は、「悪者」(悪しき者、神に逆らう者)」(複)「レシャイーム」רְשָׁעִיםを表わす直喩です。
①「もみがら」と訳された「モーツ」מוֹץは穀物を脱穀したあとに残る殻です。現代ではそれなりの利用価値がありますが、ここでは「風に吹き散らされてしまうはかない存在」としてたとえられています。特に、「もみがら」は、神の敵の群れを指すことが多いようです。彼らは「もみがら」にように、吹き飛ばされ、滅び失せ、自滅する運命にあります。どんなに一時羽振りがいいように見えたとしても、その運命ははかないのです。
②詩篇35:5にも「彼ら(私のいのちを求める者)を風の前のもみがらのようにし・・てください。」とあります。
③ホセア13:3では「もみがら」の同義の比喩として「朝の霧」、「朝早く消える露」としても用いられています。
- 詩篇における「正しい者」「悪者」の実態を、それぞれ、「水路のそばに植わった木」、「風に吹き散らされるもみがら」と詩的に表現することで、より鮮明なイメージができるようにしています。
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