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詩2篇の修辞

詩2篇の修辞


  • 詩篇2篇には、一つのシミレsimile(直喩)があります。

9節「あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、焼き物の器のように粉々にする。』」(新改訳)
9節「お前は鉄の杖で彼らを打ち/陶工が器を砕くように砕く。」(新共同訳)

〔文脈〕

この節は「天の御座に着いておられる方」がご自分の御子を立て、神に逆らう者たちに対する最終的なさばきをされる様を描いています。「あなたは」とは「御子」のことです。この啓示を受けて記しているのは詩2篇の作者ですが、その作者はダビデです。なぜダビデだとわかるのか。それは、使徒4:26に詩2篇が引用されていて、その前節にこう記されているからです。「あなた(神)は、聖霊によって、あなたのしもべであり私たちの先祖であるダビデの口を通して、こう言われました。」とあって詩2篇が引用されているのです。詩2篇には誰が書いたのかは記されていません。それゆえ作者は詩篇1篇と同様に、人称なき存在と言えるのですが、新約聖書がダビデとしているのです。ただし、新約聖書では、メシア的詩篇はすべてダビデの作としているです。

いつの時代にも神に逆らう者たちは存在します。「天の御座に着いておられる方」は天において笑っておられます。しかし同時に、激しい怒りをもって、最終的には彼らを御子を通してさばかれます。そのさばきの様が9節に描かれています。


〔パラレリズム〕

9節前半の「あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き」と、後半の「焼き物の器のように粉々にする。」とは同義的平行法です。「鉄の杖」それは曲がることのない杖(権威を表す)ですが、それをもって彼らは「打ち砕かれ」ます。その「打ち砕き」ようは、まさに、「陶工が自分の作った器を粉々に砕く。器は陶工の手のうちにある」というイメージです。

完全なる破壊です。跡形もなくされるさばきです。このことが起こるのはキリストの再臨のときですが、確実なさばきがあることをすでにここで語られています。「鉄の杖」ということばはヨハネの黙示録にも出て来ます(2:27/12:5/19:15)。それゆえダビデはこの世の王たちに、「悟れ」「慎め」「御子に口づけせよ」(つまり、降伏すること)「主が怒り、おまえたちが道で滅びないために。」と勧めているのです。


〔語彙〕

「あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き(רָעַע)、
焼き物の器のように粉々にする(נָפַץ)。」(新改訳)



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