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詩28篇の修辞

詩28篇の修辞 「岩(大岩)」という暗喩


  • 詩篇28篇の1節にある「私の岩よ」という「岩」とは、ヘブル語で「ツール」(צוּר)が使われています。この用語は「大岩」(the Rock)を意味する名詞です。旧約では74回、詩篇では24回使われています。
    18:2, 31, 46/19:14/27:5/28:1/31:2/61:2, 2,6/71:3/73:26/
    78:15, 20, 35/81:16/89:26/92:15/94:22/95:1/105:41/114:8/
    144:1
  • 文字通りに使われている箇所としては、主がモーセに仰せられたことばの中に、「さあ、わたしはあそこのホレブの岩(צוּר)の上で、あなたの前に立とう。あなたがその岩(צוּר)を打つと、岩から水が出る。民はそれを飲もう。」(出17:6)とあります。場所としての岩です。
  • この「ツール」(צוּר)はしばしば比喩的に用いられます。詩篇73:26では「神はとこしえに私の心の岩」とあります。NIV, NASB訳では“strength of my heart”と訳されています。確信を表現する比喩として使われています。しかし、「岩」が神と同義に使われる場合もあります。使徒パウロはこ「岩」のことを「キリスト」を解釈し、その岩から出る水を「御霊」と解釈しています(Ⅰコリント10:4)。
  • まことに、主のほかにだれが神であろうか。
    私たちの神を除いて、だれが岩であろうか。(18:31)
  • 18:31は詩篇特有の同義的平行法となっており、「神」が「岩」に言い換えられています。18:2の「身を避けるわが岩、わが神」も「岩」と「神」が同義で使われています。
  • 他の例としては、「救いの岩」(95:1)、「力の岩」(31:2)の「岩」も「神」と同義です。61:2の「どうか、私の及びがたいほどの高い岩の上に、私を導いてください」とありますが、「私の及びがたいほどの高い岩」も神を表わす表現です。
  • 神を「岩」と表現する場合には、「私の」「われらの」といった所有人称代名詞が付くことが特徴です。「私の力の岩」「われらの救いの岩」「自分たちの岩」(78:35)・・等。

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