詩5篇の修辞
詩5篇の修辞
「大盾で囲むように」という比喩(直喩)
「主よ。まことに、あなたは正しい者を祝福し、大盾で囲むように愛で彼を囲まれます。」(5:12)
- 詩篇5篇にある「盾」という表現はすでに3篇でも扱いました。しかし詩5篇で扱うのは「大盾」です。前者は「マーゲン」מָגֵן、後者は「ツィンナー」です。
- 「マーゲン」מָגֵן・・旧約63回、詩篇では19回(3:3/7:10/18:2, 30, 35/28:7/33:20/35:2/47:9/59:11/76:3/84:9, 11/89:18/115:9, 10,11/119:114/144:2)。
- 「ツィンナー」צִנָּה・・旧約20回、詩篇では3回(5:12/35:2/91:4)。
- 「大盾」は、ペリシテの巨人ゴリヤテの盾持ちが持っていた盾です。ゴリヤテそのものが2.64メートルの背丈ですから、その盾は大変なもであることが想像できます。しかし、ダビデはこのゴリヤテのこめかみに石を当てて、一発で倒した話は有名です。
- この「大盾」にたとえられるような、大きな主の愛(「ラーツォーンרָצוֹן」)で取り囲まれる、すっぽり包みこんでしまう恵みがあることを告白しています。「誇り高ぶる者」、「偽りを言う者」、「待ち伏せている者」がいる中で、主に身を避ける者、御名を愛する者たちを祝福し、「大盾で囲むように、主の愛で囲んでくださる」とは、なんと幸いなことでしょう。
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