Metaphor and Simile
序(3) Metaphor and Simile
- メタファmetaphorは、「暗喩・隠喩」と呼ばれ、シミレsimileは「直喩・明喩」と呼ばれます。
いずれも代表的な比喩の修辞技法です。
- 形の上からは、「……のような(as)」「……に似た(like)」というような言葉が入っているのがシミルで、入っていないのがメタフォアだという区別がありますが、内容的にはかなり難しいです。
- 例を挙げると、一般的に、次のように対比させます:
「彼は、キツネのようにずるい」……「ように」がありシミル。
「彼は執念深いこと、蛇のようだ」……「ようだ」がありシミル。
- メタフォアはこれに対し、
「彼はまさにキツネだ」
「彼は蛇だ」
- 前者のシミル(直喩)では、「ように」などがあるのとは別に、「何を喩えているのか」が、明示されています。彼がキツネなのは、「ずるさ」が比喩されています。彼が蛇なのは、「執念深さ」で比喩されています。
- しかし、後のメタフォア(暗喩)では、どこがキツネで、どこが蛇なのか、明示されていません。「ように」とか「似て」は、「キツネのように狡猾だ」「蛇に似て執念深い」などで使うので、何を比喩しているのか明示する言葉が来るのです。
- 彼はキツネだ。彼はイヌだ。彼は蛇だ。……などは、よく使う比喩なので、メタフォアの形をしていても、前後の関係から、何がキツネで、何がイヌか分かります。「キツネだ」というと、狡賢いになりますし、「イヌだ」というと、誰かの忠実な手先だという意味です。
- メタフォアというのは、「詩」で多く使われますし、効果的に使うと非常に印象的になります。
- ⇒参照
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