民数記の主題、および構造
モーセ五書の目次
民数記1 主題、および構造
(1) これまでの各書の主題の整理
① 創世記の主題は「神の民の開始」であった。堕落した人間(世界)の救いを担う神の民がどのようにして始まったかを扱っている。
② 出エジプト記の主題は「神の民の成立」。イスラエルの民がエジプトの圧制から救い出され(贖われて)、神と合意により契約を交わした。また、神は幕屋を通して神ご自身がイスラエルの民の中に内住することにより、神の民が成立したことを記している。
③ レビ記の主題は「神の民の聖別」である。神に選ばれた民が聖なるものに対していかに鋭敏な感覚を身につけるべきかが記されている。
(2) 民数記の主題
① 民数記は神の民のカナン侵攻の失敗と、それに続く40年にもおよぶ荒野放浪の経験の記録である。そこでは、神の民が様々な状況判断を必要とする中でいかに神を畏れて歩まなければならないかを教えている。したがって民数記の主題を「神の民の訓練」としたい。民数記には神の民が神の民としてふさわしく整えられるための教訓的な育成プログラムに満ちている。
②「訓練の重要性」へブル書12章3~12節。/V・R・エドマン著『人生の訓練』(いのちのことば社)には教えられる所が多い。
(3) 民数記の歴史的範囲(出エジプト記から申命記までの時間的区分)
- イスラエルの民が出エジプトした次の年から約束の地に入るまでの39年間の記録が書かれている。
【シナイの荒野】
(4) 民数記の構造と内容の概略
(5) 民数記と新約聖書
① Ⅰコリント書10章1節~10節
「これらのことが彼らに起こったのは、戒めのためであり、・・私たちの教訓とするためです。」・・パウロは荒野の経験とコリントの教会の状態を重ね合わせている。
② ヘブル書3章7節~4章13節
不従順によって約束の地に入ることを阻まれたことを、キリスト者が天国の安息に入れなくなる罪と恐れと重ね合わせている。
③ ユダ書
コラの反乱、バラムの失敗を用いて教会を取り囲む危険について警告している。
④ ヨハネ3章14節~15節
キリストの十字架の型として上げられた青銅の蛇が引用されている。
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