****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

Ⅱコリント書


Ⅱコリント書の目次

「コリント人への第二の手紙」の瞑想

はじめに

1. 特徴
(1) パウロの個人的心情が強い
(2) パウロの使徒性を認めようとしない者たちに対する壮絶な戦い
(3) 論理性よりも珠玉に満ちた御国の福音がちりばめられている

2. 主題・・「パウロの使徒性の弁明と信頼関係の回復」
(1) 真の使徒性の確証
①キリストのために受けた数えきれないほどの苦難(11章)
②パウロに与えられた直接的啓示(12章)
(2) コリント教会との信頼の回復
ー教会形成における信頼関係と重要性ー(使徒性との関連において)
(3) キリストと共に苦しむ苦難の神学
ー使徒職という栄光の務めと神の慰めは、苦難の中に現れるー

3. 内容の概要
●内容的には次のように分けられます。
序・・・・・「挨拶と慰めに満ちた神への賛美」(1:1~11)
第一部・・・「使徒職の栄光に満ちた務め」(1:12~7:16)
第二部・・・「エルサレム教会に対する献金」(8:~9:)
第三部・・・「敵対者に対する使徒としての権威」(10:1~12:13)
第四部・・・「三度目のコリント訪問の懸念」(12:14~13:8)

4. コリント教会への手紙の執筆事情

●(1)「前の手紙」(喪失)⇒(2)「コリント人への手紙第一」⇒(3)「悲しみの訪問」(4)「悲しみの手紙」(喪失)⇒(5)「コリント人への手紙第二

(1) 第三次伝道旅行において、パウロはそのほとんどをエペソで過ごしましたが、その前に1年半の間、腰を据えてコリントで神のことばを教えました(使徒18:11)。しかしユダヤ人の妨害を受けたためにエペソへ逃れました。エペソに来てすぐにパウロは、コリント教会に手紙を書きました。コリント教会の信者の中に不道徳な者、偶像と何らかのかかわりを持つ者がいて、そのような者とははっきりとけじめをつけるべきだという内容の手紙でした(Ⅰコリント5:9)。これが「前の手紙」と呼ばれるものです。

(2) ところが、この手紙は教会の信者に誤解を与えました。そのことがクロエの家の者によってパウロに報告されました、それに加えて、教会内の分裂の様子も報告されました。他にも結婚関係の問題、偶像にささげられた供え物、礼拝の秩序、霊の賜物、復活についての問題などについての質問でした。これらの諸質問に答えるために、パウロは「コリント人への手紙第一」を書いたのです。

(3) この手紙に前後して、テモテがマケドニア経由でコリントに派遣されました。しかしテモテの派遣や第一の手紙によっても問題が解決しなかったため、パウロ自身がコリントを直接訪問したのです。これが「悲しみの訪問」と呼ばれています(Ⅱコリント2:1、13:1)。

(4) エペソに帰ったパウロは「悲しみの手紙」を書きます(Ⅱコリント2:4、7:8~9)。そしてテトスがこの手紙をコリントに届けるために遣わされます。

(5) その後、パウロはエペソを離れて北上し、トロアスへ行きます(Ⅱコリント2:12)。そこでテトスに会えなかったので、パウロは不安を抱きます。しかしマケドニアでテトスに会うことができ、テトスからコリントの教会の人々が悔い改めたという喜びの報告を受けました(Ⅱコリント2:12,7:5~16)。

(6) テトスの報告を受けたパウロは「コリント人への手紙第二」を書き、再びテトスに託してこれを送りました(Ⅱコリント8:16~24)。この手紙をテトスに託した後、少し間をおいて、パウロはコリントへ行ったのです(使徒20:2)。


2019.1.17~6.20


2019.1.17


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