****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

神殿建設の聖なる部分と俗なる部分

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エズラ記の目次

5. 神殿建設の聖なる部分と俗なる部分

【聖書箇所】 5章1節~24節

ベレーシート

  • 私の所属する日本神の教会連盟が包括宗教法人化するに当たって、連盟の担当役員が文科省の担当者との間で多くのやり取りがなされました。そのやり取りの中で、文科省の担当者が「聖なる部分」と「俗なる部分」ということばを使いながら、自分たちが扱える部分は「俗なる部分」、つまり、土地の不動産、建物の動産、金銭の収支決算報告とその監査、教会規則、決定事項の議事録、総会の布告の手続き、および役員の法的資格といったものだということでした。それらがきちんとクリアされない限り、包括法人格を取得することはできません。文科省は宗教的な内容である「聖なる部分」に関しては一切関知しないし、扱うこともできないということでした。教会にとって「聖なる部分」は常に本質的な事柄ですが、この世における地的財産の保障を法的に得ようとすれば、「俗なる部分」は法的に拘束されることは当然のことです。ですから、そのための整えが重要となります。つまり、この世において何らかの活動や法的財産権を得るためには、「聖なる部分」だけでは太刀打できないのです。エズラ記5章はこの問題を突き付けています。

1. 「俗なる部分」の確かな証拠

  • バビロンからの帰還した人々はエルサレムに神殿を再建しようとしましたが、敵の妨害によって、15年間、その建設が中断するということが起こりました。敵の妨害だけでなく、神を中心とせず、自分たちの生活を第一にしたこともその理由なのです。そこで、神はハガイとゼカリヤの二人の預言者を遣わして、人々を激励し、再建へと促しました。しかしそれだけでは神殿は完成しなかったのです。神殿が完成するためにはもう一つの問題をクリアしなければなりませんでした。
  • その問題とは、敵が突き付けた法的な保障の証拠です。つまり、「だれが、あなたがたに命令を下して、この宮を建て、この城壁を修復させようとしたのか。」というのがそれです。つまり、だれがそれを許可したのかという問題です。
  • ユダヤ人の長老たちは、再開された神殿再建の働きを続けながら、敵から突き付けられた「俗なる部分」の保証となる証拠文書が保管されていないか、ペルシアの王によって確認してもらうよう手紙を送って打診したのです。「俗なる部分」の証拠文書とは、クロス王から出された勅令の文書でした。
  • 結果的には、その文書が一つの巻き物としてバビロンの文書保管所に保管されていることが確認されました。この確かな証拠によって、エルサレムでの神殿再建工事は敵の妨害に遭うことなく続けられ、完成したのでした。エズラ記6章15節の「こうして、この宮は・・完成した」の「こうして」のその中身は二つの部分、すなわち「聖なる部分」と「俗なる部分」を意味するものでした。

2. 神殿の再建に込められた神の啓示

  • ところで、第二神殿は神の促しによって再開工事を始めてから5年後のB.C.515に完成を見ましたが、その完成した頃に、神はゼカリヤを通して、終末預言を語っています(ゼカリヤ9~14章)です。そこには、「その日に」とか、「主の日」ということばが多く出てきます。それは、神のご計画の終わりの時の預言です。それによれば、真の神殿建設はメシアによってのみ実現するという啓示です。
  • 神殿の啓示は、神と人とのかかわりにおいてきわめて重要です。神殿の全身である「幕屋」(「会見の幕屋」)の建造の建造の目的が以下に記されています。

    【新改訳改訂第3版】出エジプト記25章8節
    彼らがわたしのために聖所を造るなら、わたしは彼らの中に住む

  • 「幕屋」は、主なる神がイスラエルの民の中に住む(内住)所であり、会見の場であり、神の臨在を示す場所でした。他の箇所も参照。出エジプト記29章45、46節。
  • 「幕屋」は、ソロモンの時代には「神殿」(主の宮)として建てられます。その献堂式では、幕屋の完成した時と同様、神の栄光「シャハイナ・グローリー」が現わされています。やがて、「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた(=幕屋を張られた)。」(ヨハネ1:14)のです。メシアとして神から遣われたイエスは、当時の指導者たちが強盗の巣にしているのをご覧になり、宮きよめをされました。
  • イエスの十字架の死と復活、そして昇天後のペンテコステに聖霊が注がれて教会が誕生します。新しく教会の時代が始まりますが、この「教会」が新しい主の宮(神殿)となります。また、キリストを信じるひとり一人も神の住まわれる神殿とみなされます。しかし、メシアを拒んだイスラエルは、第二神殿が破壊されただけでなく、世界離散させられます。彼らが神によって再び建て直されるために、世界各地からイスラエルの地に集められ、そして反キリストによる大患難の試練を通して、イエスがメシアであったことを悟らせ、悔い改めと主の御名を呼び求めるようにされます。それによってメシアは再びこの地上に来られて、エルサレムに新しい神殿が建設され、メシアによる王国、つまり千年王国が実現します。
  • そもそも地上の神殿は天にある本物の聖所、すなわち天国の地上における型(写しであり影)です(へブル9章23~24節)です。神のご計画のマスタープランによれば、最終の神殿は、新天新地における神と小羊です。新しい天のエルサレムに住むことを許された神の民は、そこで神の御顔を永遠に仰ぎ見ることになるのです。
  • 第二神殿が完成した時点で、神は、預言者ハガイとゼカリヤを通して、少なくともキリストの再臨によるメシアの王国が実現することを預言しているのです。エゼキエルにおいては、そのときにエルサレムに新しい神殿(第四神殿)が建てられることも預言されています。
  • 神殿の系譜において、ゼルバベルの第二神殿は、天にある真の神殿に向けられたプロセスの中で建てられるのです。


2013.10.12


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