****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

Ps87その他

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  • 3節の「神の都よ。あなたについては、すばらしいことが語られている」とあります。
    「神の都」とは「シオン」(エルサレム)のことです。そのシオンについて「すばらしいこと」として語られています。だれが語っているのかと言えば、それは「主」です。「すばらしいこと」と訳されたことばば「カーバド」で、尊ぶ、重んじられる、重くなる、栄光を得るという意味です、「カーバド」の名詞形は「カーボード」です。つまり、ここでは神の都が重い事柄として語られているのです。この「重い事柄」とは何かというならば、それは神の都シオンが万民の母となるということです。
    • 5節(新改訳)
      「しかし、シオンについては、こう言われる。
      『だれもかれもが、ここで生まれた』と。
      こうして、いと高き方ご自身がシオンを堅くお建てになる。 」
    • バルバロ訳では
      「だが、シオンについては、みながそれを母と呼ぶ、、
      その中でみな生まれたのだから。
      いと高きものが、それを固められた。」

  • 詩篇87篇には、三度「生まれた」ということばが出てきます。原語は「ヤーラド」יָלַדで、旧約では492回使われています。「◯◯に◯◯が生まれた」、あるいは、「◯◯は◯◯を生んだ」と訳されたり、「◯◯は◯◯の父となった」とも訳されます。これは人間の場合です。しかし、87:5のバルバロ訳の「シオンについては、みながそれを母と呼ぶ」と訳されているのは、「シオン」が女性名詞だからです。
  • ヘブル語の名詞には、男性名詞と女性名詞があります。日本語にはその区別はありません。ちなみに、ギリシア語ではさらに中性名詞というのもあります。ヘブル語における女性名詞は、地名、体の器官、国名などは女性名詞です。また、地(アーレツ)、町、都(イール)、井戸、火、石、ぶどう、剣、魂、杯、羊・・などは女性名詞です。
  • 神の都である「シオン」(女性名詞)において、「だれもかれもが、そこで生まれる」がゆえに「みながそれを母と呼ぶ」と訳しています。LXX訳では「人は母シオンと言う」μητηρ σιων ερει ανθρωπος と訳されています。シオンはすべての民の霊的な首都となり、イスラエルに接する異邦の国々もまことの神を知るように招かれています。神の子どもを産むシオンは、新約の教会の予表と言えます。
  • 新約聖書で「教会」と訳される「エクレーシア」も女性名詞であるゆえに、母なる教会、母教会と呼ばれます。父なる教会とは言いません。私たちが神の子と呼ばれるのは、父なる神が、母なる教会の中に私たちを誕生させるからです。

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