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「選びの愛(アーハヴ)と契約の愛(ヘセド)」との相違について」

「選びの愛」(アーハヴ)と「契約の愛」(ヘセド)との相違について

  • 預言書のイザヤ書43章4節、エレミヤ書31章3節、マラキ書1章2節を参照。ここには、契約の愛とは別の「選びの愛」、換言するなら、「シナイ契約」における神の恵みとは別なサイト、つまり、「シナイ契約」ではなく、「アブラハム契約」における神の真実が流れている。
  • イスラエルはシナイにおいて神と契約を結んだ。その契約とは「今、もしあなたがたが、まことに、わたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。」(出19章5~6節)である。シナイ契約の特徴は「もし、あなたがたが、・・わたしの声に聞き従い、契約を守るなら、・」とあるように、人間側の決意と努力が求められる。シナイ契約の特権とそれに伴う責任は非常に大きなものがあった。それゆえ、イスラエルの不従順による違反は厳しい刑罰が科せられ、呪いが臨むことが警告されている。その最も重い罰は、イスラエルの離散とカナンの荒廃であった。
  • 悲しむべきことに、イスラエルはこの契約を破ってしまった。その結果、イスラエルの民は捕囚の民となって離散し、亡国の憂き目にあった。これはシナイ契約で預言されていたことである。しかし、ここではっきりと知っておかなければならないのは、シナイ契約が神とイスラエルを結ぶ唯一のものではない。実は、もうひとつの契約関係がある。それはシナイ契約の外側にあり、シナイ契約を越えた、無限の保障をもった契約である。それがアブラハム契約である。それは何ものによってしても、打ち壊すことの出来ない契約である。それは血によって調印され、神の誓いによっても確認された。この契約は、イスラエルの不誠実さも、また神ご自身さえも、、決して無効にすることができないものであり、アブラハムとその子孫に対する、無条件の、永遠に変わらない契約なのである。そしてこの恵みの契約は、イスラエルの民ができなかったことを、神が彼らのために、成し遂げてくださるという神の熱意に裏付けられているのである。エレミヤ書31章31~34節の「永遠の愛」による未来の展望は、このアブラハム契約に基づいている。

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