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アタルヤの悲惨な最期(改訂)

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列王記の目次

33. アタルヤの悲惨な最期(改訂)

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【聖書箇所】 11章1節~21節

はじめに

  • 北イスラエル王国において、エフ―が台頭するとアハブ家一族をすべて滅ぼし、またアハブ家と密接な関係にあった南ユダ王国の王アハズヤも暗殺しました。それを知ったアハズヤの母アタルヤ(アハブとイゼベルの娘)は、自ら王となり、ダビデ家の血筋を絶つために夫ヨタムとの間に出来た子どもたちを殺しました。
  • 神の敵であるサタンはアタルヤを通してユダの子孫を絶とうと図りました。これはユダ族のおいて最大の危機でした。ところがこの企ては失敗に終わったことを記しているのが、この11章です。その背景には勇気ある夫妻がいたからでした。

1. 6年間の沈黙(周到な準備)

  • アハズヤの母アタルヤは、自分の子が死んだと知ると、ただちに王の一族をことごとく滅ぼしたとあります(1節)。しかしその中でただ一人難を逃れた子どもがおりました。それはヨアシュという生まれたばかりの幼児でした。
  • アザルヤ王の妹であったエホシェバがヨアシュを「盗み出し」(「ガーナヴ」גָנַב)て、「隠した」(「サータル」סָתַרのHif形)からです。文字通り、「盗み出して、隠した」というとイメージが悪いですが、保護したというふうに理解すべきです。見つかれば殺されるやもしれない子を、6年間隠し続けることは決しい容易ではなかったと思います。しかしそこに神の守りがあったのだと思います。

画像の説明

  • 王となったアタルヤはいったい何を考えていたのか、先が見えません。後継者のことについて考えている様子もなく、ただ、自分が北イスラエルから持ち込んだバアルにしがみつくしかなかったようです。
  • ヨアシュを保護し、隔離していた祭司エホヤダとその妻エホシェバは機が熟するのをじっと待っていたのです。

2. 奮い立った祭司エホヤダのクーデター

  • 11章4節、第七年目に祭司エホヤダは立ち上がりました。歴代誌第二23章1節では「奮い立って」とあります。「奮い立つ」と訳された動詞は「強くある」という意味のヘブル語「ハーザク」の強意形ヒットパエル態が使われています。彼は、親衛隊の者たちを招いて、「主がダビデの子孫について約束されたように、王の子が王となる」べきことを説得して、彼らを取り込み、契約を交わしました。そしてヨアシュに油を注いで王としたのです。そのことを知ったアタルヤは、「謀反だ。謀反だ」と騒ぎますが、すでに時遅しでした。
  • この章ではアタルヤが失脚することが目に着きますが、むしろ、祭司のエホヤダとその妻のエホシェバの勇気ある行動が重要です。彼らは決してあわてることなく、周到な準備をしながら神の時を待ち、神のみこころを確信し、「奮い立って」てダビデの王家を支えたのです。こうした人々の助けによって、ユダ王国は危機を乗り越えたのです。

2012.11.16

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