列王記
聖書を横に読むの目次
10. 「列王記」の瞑想
はじめに
(1) 歴代の王の治世の記録
列王記はその書名が示すように、ダビデの後継者ソロモンから南ユダ王国と北イスラエル王国における歴代の王の治世を記録しています。それらは約400年の期間に及んでおり、イスラエル王国の衰退の物語です。南ユダ王国には20人の王が、また北イスラエル王国には19人の王が登場します。
(2) 預言者台頭の時代
ソロモンの治世に王国はその絶頂に達します。その王国は父ダビデから引き継いだものの十倍にも及びます。しかし、ソロモンの死とともに王制はすでに神がそれを通してご自身の「聖」を表わす媒体ではなくなっていました。この時から、エリヤをはじめとする預言者の時代が始まります。イスラエルの王制の理念、つまり「神こそ真の王であり、人間の王はあくまでも神の代理者にすぎない」とする理念が崩壊しつつあったときに、それに対して断固 No!と叫んだのが預言者たちでした。彼らは命をかけてイスラエルの王制の理念を語り、王による国の私物化は亡国を招くことを警告しました。その預言者たちの歴史観を骨格として記されたのが「列王記」であると言えます。
また、それぞれの時代を治めた王たちと深くかかわりをもった預言者たちの霊性を通して、現代に生きる私たちへのメッセージは何かを考えつつ、列王記の瞑想を試みたいと思います。
「北イスラエル王国の年代表」(改訂準備中)
「南ユダ王国の年代表」(改訂準備中)
●興味深いことに、列王記において「イスラエルの回復」を預言する記述は
一切ありません。
列王記の瞑想
2012.8.25~12.12
2012.8.24
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