****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

アハズが払った代償は大きかった

文字サイズ:

列王記の目次

38. アハズが払った代償は大きかった

【聖書箇所】 16章1節~20節

はじめに

  • 列王記の中に登場する王の名前には、同じ名前や似たような名前があります。列王記下16章に登場する南ユダの王「アハズ」は、「エホアハズ」の短縮形です。

画像の説明

  • 「アハズ」の名前の意味は「彼は掴む」と言う意味でずが、彼が掴んだその代償は実に大きな損失を招きました。その深いところにある彼の問題は、神への不信、それがもたらす偶像礼拝の罪の結果でした。

1. アハズの政治的政策

  • イスラエルの民はエジプトから救い出されて正式に「主なる神」を神とし、民は神の民となるべく契約を結びました。したがって、神の民はこの世の民とは神の教え(トーラー「律法」)に従って歩むべき聖なる民でなければなりませんでした。主を神とするとき、主はすべての責任を担ってくださり、生存と防衛の保障が約束されていました。
画像の説明
  • ところが、南ユダの王となったアハズはその治世の当初から偶像礼拝を導入し、カナン文化の宗教にある「子どもに火の中をくぐらせる」という「忌むべきならわし」も取り入れた王でした。ユダ王国の王でありながら、指導者自ら主なる神を捨てて、偶像礼拝をおこなっていました。したがって、アラムの王レツィンと北イスラエルの王ペカたちからアッシリヤに対抗する同盟を結ぼうとする申し出を拒否し、預言者イザヤの強い警告にも逆らって、ひそかに大国のアッシリアの王ティグラテ・ピレセルと手を結び、アッシリアの支援を取り付けていたのです。

2. アハズがアッシリヤに支払った代償

  • 神への信頼が損なわれるとき、人は自分の目線でより確かなものにすがりつこうとします。アハズがその例です。彼はアッシリヤから支援してもらう同盟関係を結ぼうとして、使者を遣わしてアッシリヤの王ティグラテ・ピレセル3世に次のように言いました。

「私はあなたのしもべであり、あなたの子です。どうか上って来て、私を攻めているアラムの王とイスラエルの王の手から私を救ってください。」(16:7)

  • 「しもべ」であることをあかしするために、神殿の宝物倉から多くのものを取り出して贈物をしました。しかしそれは、やがて要求されるだけの貢物を納めなければならなくなる始まりでした。アハズは、本来、主なる神に対して告白すべきことばをアッシリヤの王に対してしてしまったのです。そのためにユダはかろうじて国としての体裁は守られましたが、完全にアッシリヤの属国として、アッシリヤの言いなりになってしまったのでした。
  • 政治的な面だけでなく、宗教的にも言いなりになったことが見て取れます。アハズがアッシリヤの王に謁見するためにダマスコに赴きます。そこで彼が見た祭壇の詳細な作り方を記した図面と模型を、祭司ウリヤに送り、それと同じものを造らせました。
  • おそらく、そこにも何らかのアッシリヤの宗教的な威圧があったと思われます。そして伝統的なソロモン神殿を中心とした神の秩序を破壊し別のものにすり替えてしまったのです。
  • 神の民がひとたび偶像礼拝に心を開くとき、それはその開いた民(者)を支配してしまう力を持っています。なぜなら、偶像の背後には目に見えないサタンの霊的な力が働いているからです。サタンはイエスを誘惑しようと、イエスを非常に高い山に連れて行き、この世のすべての国々の栄華を見せて、こう言いました。「もしひれ伏して私を拝むなら(礼拝するなら)、これを全部あなたに差し上げましょう。」(マタイ4:8~9)と。
  • 確かに、サタンを拝むならばこの世の栄華を手にすることが出来ます。しかしそれは一時であり、自分のたましいを売り渡した者はその栄華を失い、より惨めな者となのです。イエスはサタンを「偽りの父」であると言いました。その嘘に騙されてはならないのです。
  • 私たちに必要な最も基本的なニーズである「生存と防衛の保障」は、主なる神から来るのです。この確信に立って、いつ、どんなときにも、神に信頼しなければならないのです。

【新改訳改訂第3版】イザヤ書7章4節
そこで彼に言え。気をつけて、静かにしていなさい。恐れてはなりません。あなたは、これら二つの木切れの煙る燃えさし、レツィンすなわちアラムとレマルヤの子との燃える怒りに、心を弱らせてはなりません。


【新改訳改訂第3版】イザヤ書30章15~18節
15 神である主、イスラエルの聖なる方は、こう仰せられる。
立ち返って静かにすれば、あなたがたは救われ、落ち着いて、信頼すれば、あなたがたは力を得る。
しかし、あなたがたは、これを望まなかった。
16 あなたがたは言った。「いや、私たちは馬に乗って逃げよう。」それなら、あなたがたは逃げてみよ。「私たちは早馬に乗って。」それなら、あなたがたの追っ手はなお速い。
17 ひとりのおどしによって千人が逃げ、五人のおどしによってあなたがたが逃げ、ついに、山の頂の旗ざお、丘の上の旗ぐらいしか残るまい。
18 それゆえ、【主】はあなたがたに恵もうと待っておられ、あなたがたをあわれもうと立ち上がられる。【主】は正義の神であるからだ。幸いなことよ。主を待ち望むすべての者は。

  • 預言者イザヤのメッセージは、どんなときにも外国と同盟関係を結ぶことなく、主にのみ信頼して静かにしていれば、神が守ってくださるというものでした。イザヤは最初から最後まで、一貫して「神から来る静けさ」を説いた預言者でした。

2012.11.28


a:6261 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional