モーセ五書の著者と構造と聖書全体における位置づけ
モーセ五書の目次
序説3. モーセ五書の著者と構造と聖書全体における位置づけ
(1) 著者・・モーセ
(2) 構造・・創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の五書からなる。
(3) モーセ五書の統一性と構成の意図
① モーセ五書を一つのまとまりとしているものは何か
a. 文学的表現
「はじめに、そして、そして、・・・・これらは」という接続詞b. 救済史的内容
「堕落した人間(創世記)が、救い出されて神の民とされ(出エジプト記)、神を正しく礼拝しながら(レビ記)、信仰の旅路を歩み(民数記)、やがて約束の地に向かって望み備えつつ歩む(申命記)という構造を持っている。」
② モーセ五書の構成された配列とその流れを可能とする中心的出来事との関係
【図3】
- 五書全体は、出エジプト記の救いの光から見直されて記されている。これは新約の共観福音書がやはり、イエス・キリストの復活の光からイエスの救いを見直しているのと同様である。
(3) 旧約聖書におけるモーセ五書の位置付け
①モーセ五書は旧約聖書全体の土台となっている。⇒【図4】
②モーセ五書の中心的事柄 ⇒【図5】
a. 創造主なる唯一の神
b. 創造の冠としての人間の創造と堕落
c. 救いの担い手としてのアブラハムの
選びと約策
d. 贖いと契約
e. 幕屋の建設(神に近づく礼拝の方法)
(4) 聖書全体におけるモーセの位置付け
- 主イエス・キリストによる十字架の贖い、新しい契約の予型となっている。出エジプトの経験はその後の救いの歴史において、きわめて大きな重みをもつ予表となっている。
⇒【図6】
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