旧約聖書と新約聖書との関係
モーセ五書の目次
序説2. 旧約聖書と新約聖書との関係
(1) ユダヤ教とキリスト教における旧約聖書の理解の相違
①ユダヤ教《法的理解》⇒中心から「律法」「預言」「詩歌」・・ 権威の順に並んでいる。
【図1】
②キリスト教《救済史的理解》⇒「律法」(モーセ五書)「歴史書」「詩歌」「預言書」。【図2】
【図1⇒
- ユダヤ教の聖書理解はキリスト教のように救済の歴史とは考えられていない。
A 律法【トーラー】(創世記~申命記までの5巻)・・基本法
B 預言書【ネーヴィーム】・・・・・・基本法の解釈と応用
① 前預言書(ヨシュア記~列王記の4巻
② 後預言書(イザヤ書~12の預言書の4巻)C 聖文書【ケトゥーヴィーム】・・・・・ 基本法の参考書
①詩歌(詩篇、箴言、ヨブ記の3巻)
②メギロテ(雅歌,ルツ記、哀歌、伝道者の書、エステル記の5巻)
③歴史書(ダニエル、エズラ、ネヘミヤ、歴代誌の4巻)ユダヤ教の聖書は【トーラー】(תוֹרָה)【ネヴィーイーム】(נְבִיאִים)【ケトゥーヴィーム】(כְּתוּבִים)の三つのそれぞれの頭文字を取って、「タナフ」(תַּנַךְ)と呼ばれます。
【図2】⇒キリスト教の聖書の配列は、七十人訳聖書に準拠しています。
(2) 旧約聖書と新約聖書との統一性
① 神の救いの計画(救済史)
ー神の救いのみこころが歴史的叙述の形で表現されている。
② キリスト証言
ーヨハネ5章39節、ルカ24章27節、44節を参照。
α.ユダヤ教・・旧約聖書を神の言葉とし正典として信じているが、ユダヤ教は旧約に預言されているメシアはまだ来ていないと信じている。当然のことながら、ユダヤ教は旧約とは言わない。
β.キリスト教・・旧約に預言されているメシアはイエスにおいて成就したと信じており、旧約聖書を《キリスト証言》の書として受け取っている。
③ 約束と成就
マタイ5章17節、ルカ24章25~27節、44~47節を参照。
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