歴代誌第一16章にみる礼拝用語の豊かさ
「歴史書(2)」の目次
C. ダビデの幕屋礼拝における特徴
C-2. ダビデの新しい礼拝における豊かな礼拝用語
- ところで、ダビデが神の箱の前でどのように礼拝したかといえば、それは音楽を伴う新しい礼拝です。
7節には「その日その時、ダビデは初めてアサフとその兄弟たちを用いて、主をほめたたえた(「ヤーダー」יָדָה)。」とあります。そのとき歌われた賛美の詩篇にはどのような礼拝が呼びかけられているのか、その手掛かりは礼拝用語(動詞)に注目する必要があります。16章1~7節までに見られる礼拝用語を列挙してみると、以下のようになります。礼拝用語としての動詞を覚えることはとても重要です。①「ささげる」(1節)・・・・「カーラヴ」קָרַב
②「仕える」(4節)・・・・・「シャーラトשָׁרַת
③「覚える」(4節)・・・・・「ザーハル」זָכַר
④「感謝する」(4節)・・・・「ヤーダー」יָדָה
⑤「ほめたたえる」(4節)・・「ハーラル」הָלַל
- 16章8節~22節は詩篇105篇からの引用ですが、そこにある「礼拝用語」も列挙してみると、以下のようになります。
①「感謝する」(8節)・・・・「ヤーダー」יָדָה
②「呼び求める」(8節)・・・「カーラー」קָרָא
③「知らせる」(8節)・・・・「ヤーダ」יָדַע
④「歌う」(9節)・・・・・・「シール」שִׁיר
⑥「ほめ歌を歌う」(9節)・・「ザーハル」זָמַר
⑦「思いを潜める」(9節)・・「スィーアッハ」שִׂיחַ
⑧「誇りとする」(10節)・・ 「ハーラル」הָלַל
⑨「慕い求める」(11節)・・ 「バーカシュ」בָּקַשׁ
⑩「尋ね求める」(11節)・・ 「ダーラシュ」דָּרַשׁ
⑪「喜ぶ」(10節)・・・・・ 「サーマハ」שָׂמַח
⑫「思い起こす」「覚える」(12, 13節)・「ザーハル」זָכַר
- 16章23~33節は詩篇96篇からの引用です。35~36節も加えて、そこにある礼拝用語もチェックすると以下のようになります。
①「歌う」(23節)・・・・・「シール」שִׁיר
②「告げる」(23節)・・・・「バーサル」בָּשַׂר
③「語り告げる」(24節)・・「サーファル」סָפַּר
④「ささげる」(28節)・・・「ヤーハブ」יָהַב
⑤「携える」(29節)・・・・「ナーサー」נָשָׂא
⑥「行く」(29節)・・・・・「ボー」בּוֹא
⑦「ひれ伏す」(29節)・・・「ハーヴァー」חָוָה
⑧「おののく」(30節)・・・「フール」חוּל
⑨「喜ぶ」(31節)・・・・・「サーマハ」שָׂמַח
⑩「おこどりする」(31節)・「ギール」גִּיל
⑪「言う」(31節)・・・・・「アーマル」אָמַר
⑫「鳴りとどろく」(32節)・「ラーアム」רָעַם
⑬「勝ち誇る」(32節)・・・「アーラツ」עָלַץ
⑭「喜び歌う」(33節)・・・「ラーナン」רָנַן
⑮「感謝する」(34, 35節)・「ヤーダー」יָדָה
⑯「誇る」(35節)・・・・・「サーバハ」שָׂבַח
⑰「ほめたたえる」(36節)・「バーラフ」בָּרַךְ
ここで重要なことは、単に、礼拝用語が多くあるということではありません。
ダビデが真の礼拝者として、これらの礼拝用語を自ら生きた人だったということです。
2014.1.23
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