礼拝用語Ps79
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詩79篇 「とこしえまで」 עוֹלָם オーラーム
(カテゴリー:誓約 )
13節「そうすれば、・・私たちは、とこしえまでも、あなたに感謝し・・ましょう。」
Keyword; 「とこしえまでも、とこしえに、永遠に、」 forever, ever, everlasting
5:11/30:12/52:9/61:8/75:9/79:13/86:12/89:52/119:44
- 「神は、人の心に永遠への思いを与えられた」と伝道者の書3章節にしるされていますが、ここでは詩79篇13節にある「ともしえまでも」と訳されたオーラーム עוֹלָם(`olam)に注目し、ヘブル人が永遠についてどのように思惟していたかを思い巡らしてみたいと思います。
- オーラームעוֹלָם(`olam)は、旧約聖書においては439回使用されています。その中には、神ご自身の永遠性についての言及―たとえば、「まことにとこしえからとこしえまであなたは神です。」(詩90:2)、「あなたはとこしえまでも統べ治められる。」(出15:18)-もあれば、人に対する神のかかわりの永遠性―たとえば、「主の恵みはとこしえからとこしえまで、主を恐れる者の上にある。」(詩103:17)―についての言及もあります。しかも、この語彙は詩篇において最も多く使われています。
- ヘブル人の時間観念、あるいは永遠についての思惟は、天文学的な時間の客観的な持続に関する表現ではありません。あくまでも、神と人とのかかわりの中にある限界なき時間を意味しています。またオーラムעוֹלָםは「いつまでも」、「生涯」(for life)とも訳され、必ずしも、永遠というわけではありません。
- ルカの福音書1章に祭司ザカリヤの賛歌がありますが、その中に、「主は、われらを、敵の手から救い出し、われらの生涯のすべての日に、きよく、正しく、恐れなく、主の御前に仕えることを許される。」(74, 75節)とあります。つまり、ここの「人の全生涯において」がオーラムなのです。神とのかかわりにおいて、全生涯、終生、主に仕えることが許されている意味でのオーラムは、神の途切れることのない、変わることのない、永遠の愛によって支えられることなしには、あり得ないことです。
- 私たちは軽々しく「とこしえに、永遠に」と言ったり、賛美したりすることがあるますが、このことばを口にするとき、いつも、神の永遠性に支えられた「とこしえまでも」であることに心を留めたいものです。
- 礼拝の最後に歌われる三位一体なる神を讃える「頌栄」があります。頌栄には、必ずと言っていいほど、永遠性に関する表現が伴っています。そのことに留意し、またその永遠のいのちのかかわりの中に私たちが招かれていることを覚えたいものです。
- 類義語としてはドールדּוֹר(dor)があります。詩79篇13節にעוֹלָםの同義的対句語として、ラドール・ヴァドールはלְדֹר וָדֹר(「代々限りなく」from generation to generation)が置かれています。このことばも詩篇に多く見られます。「世々にわたって」(always) 10:6、「代々にわたって」(generations)45:17等と訳されます。⇒参照 詩61篇でもオーラームעוֹלָםを取り上げています。