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神と神の民イスラエルが結んだ契約

出エジプト4. 神と神の民イスラエルが結んだ契約

(1) 個人から民へ

① 旧新約聖書全体の重要な思想は「契約」という概念である。旧約、新約の「約」とは契約を意味している。聖書においては人と人が結ぶ契約も見られるが、聖書全体を特色づける契約は神と人(民)との間に結ばれた契約である。その契約関係とは「主がイスラエルの神となり、イスラエルは主の民となった」ということである。

② すでに神はアブラハム、イサク、ヤコブと個人的に契約を結ばれたが、ここに至ってはじめて、民を相手として契約関係に入られたのである。この契約はシナイ契約と呼ばれ、神の恵みにもとづいている。出エジプト19章4節、申命記32章11節参照。旧約の歴史の危機的な状況において更新されていく。

(2) 契約における三つの特権(19章5~6節)

  • イスラエルがエジプトの奴隷状態から救い出され、シナイ山において神の「宝」、「祭司の王国」、「聖なる国民」とされて、生ける神との独自な契約関係を結んだことは画期的な出来事だったのである。

    ①《神の宝》・・イスラエルはすべての国々の中にあって「神の宝」となる。神にとって大切な財産、特別な宝。神と特別な関係と価値を有するものとなる。

    ②《祭司の王国》とされるとは、イスラエルの民が神と他の民族との間の仲介者となり、全世界にいる他の民族を神に導くためのとりなしの祈り手とされた。ペテロ第一2章9節。祭司としての使命。

    ③《聖なる国民》とされるとは、罪を犯さなくなるということではなく、神のために特別にきよめ分たれた国民にされることを意味している。実際に、生ける神の声を聞くという特権にあずかった民族は、世界でただイスラエルのみであった。

     
  • これらの三つの特権は互に深いつながりがあり、また現代のキリスト者に適用される。

(3) 契約の条件(19章5節)

  • 契約締結の条件は神の御声に聞き従うことである。しかしそれは強制ではなく、合意(同意)に基づくものである。民は「主が仰せられたことを、みな行なう」と約束した。しかしこの時、それがいかに難しいことであるか、少しも理解してはいなかった。ペテロの自信「私はあなたを知らないなどとは決して申しません」(マタイ26章35節)のように。

(4) 契約の内容・・・律法の賦与(20章1~17節)

画像の説明

①「律法の賦与の意義」・・・イスラエルが神の民として正しい基準を持つためである。

②「旧約律法の三つの種類」

a. 道徳律法(モーセの十戒)・・十戒は二枚の石の板に書かれ、幕屋の中の契約の箱の中に納められる。イスラエルが旅をするときは、神の箱が先頭になって進んだ。それは神の道徳律法がすべての中心であることを、このことを通して神がお示しになった。すべての律法はこの十戒を中心としている。
b. 祭儀律法・・・礼拝に関する規定が記されている。
c. 社会律法・・・民事裁判等の規定が記されている。

  • 道徳律法は永遠に変わらない。祭儀律法と社会律法に関してはキリストの贖いよって新約時代に廃棄された。

③「十戒の構造と内容」

画像の説明

④ 律法(十戒)が指向しているもの

  • 神が十戒を与えられたのは、神が人に要求する標準を提示すると同時に、私たちが律法を守ることのできない罪人であることを示すためである。それゆえ私たちには救い主が必要なのである。律法はキリストに導く養育係なのである。

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