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「愚かな者」の特徴と運命とかかわり方

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箴言は「父から子への知恵」、主にある家庭教育の根幹を学ぶ最高のテキストです。

37. 愚かな者の特徴と運命と付き合い方

【聖書箇所】26章1~12節

ベレーシート

  • 26章には「家庭生活」についての知恵に言及している箇所はありません。この章はこれまでにないほど、「愚かな者」について言及されています。その「愚かな者」の特徴、その運命、そして付き合い方についてまとめてみたいと思います。

1. 「愚か者」と「愚かな者」

  • 「愚か者」と「愚かな者」はどこが違うのでしょうか。意味するところは同じですが、原語が異なっています。「愚か者」と訳された原語は「エヴィール」(אֱוִיל)。旧約では26回、そのうち箴言での使用頻度は19回です。「愚かな者」と訳された原語は「ケスィール」(כְּסִיל)。旧約では75回、そのうち箴言の使用頻度は49回です。
  • 今回の26章には「ケスィール」(כְּסִיל)のみが使われ、しかも1~12節に11回も使われているのです。箴言の中にある49箇所すべてからまとめることが最良ですが、ここでは、26章1~12節の中から「愚かな者」の特徴とその運命、および彼らとのかかわりについてまとめます。それらの引用をそれぞれ新改訳聖書とリビングバイブルの訳で掲載します。

2. 「愚かな者」の特徴

  • 「愚かな者」についての特徴を記しているのは7, 9, 11節です。

(1) 7節
【新改訳改訂第3版】
愚かな者が口にする箴言は、足のなえた者の垂れ下がった足のようだ。
【リビングバイブル】
どんなにもっともらしく語っても、ばか者の言うことは、中風の足のように役に立ちません。

(2) 9節
【新改訳改訂第3版】
愚かな者が口にする箴言は、酔った人が手にして振り上げるいばらのようだ。
【リビングバイブル】
酔っぱらいがいばらをにぎっても痛さを感じないように、反対する者が教訓を語っても、少しも心に訴えません。

(3) 11節
【新改訳改訂第3版】
犬が自分の吐いた物に帰って来るように、愚かな者は自分の愚かさをくり返す。
【リビングバイブル】
犬が自分の吐いた物をまた食べるように、ばか者は何度でもばかなことをします。


3. 「愚かな者」の運命

  • 「愚かな者」の運命についての言及は3節です。

3節
【新改訳改訂第3版】
馬には、むち。ろばには、くつわ。愚かな者の背には、むち。
【リビングバイブル】
ろばはくつわで、馬や反対ばかりする者にはむちで、言うことを聞かせます。


●「むち」の原語は「ショート」(שׁוֹט)、「くつわ」の原語は「メテグ」(מֶתֶג)、そして「むち」の原語は「シェーヴェト」(שֵׁבֶט)です。


4. 「愚かな者」とのかかわり方

  • 「愚かな者」とのかかわり(付き合い)方については、1, 4, 5, 6, 8, 10節です。

(1) 1節
【新改訳改訂第3版】
誉れが愚かな者にふさわしくないのは、夏の雪、刈り入れ時の雨のようだ。
【リビングバイブル】
ばか者がほめられるとしたら、真夏に雪が降り、太陽が西からのぼっても不思議はありません。

(2) 4~6節
【新改訳改訂第3版】
4 愚かな者には、その愚かさにしたがって答えるな。あなたも彼と同じようにならないためだ。
5 愚かな者には、その愚かさにしたがって答えよ。そうすれば彼は、自分を知恵のある者と思わないだろう。
6 愚かな者にことづけする者は、自分の両足を切り、身に害を受ける。
【リビングバイブル】
4 ~5反対する者と議論する時は、向こうのペースにのせられないように気をつけなさい。 そうでないと、同じような愚か者になります。 ばかなことを言う相手には、とぼけた返事をして、うぬぼれを打ち砕いてやりなさい。
6 反対する者を信用してことづけを頼むのは、自分で足を切り、毒を飲むようにばかげています。

(3) 8節
【新改訳改訂第3版】
愚かな者に誉れを与えるのは、石投げ器に石をゆわえるようだ。
【リビングバイブル】
反対する者に高い地位を与えるのは、銃に弾をこめるように危険です。

(4) 10節
【新改訳改訂第3版】
愚かな者や通りすがりの者を雇う者は、すべての人を傷つける投げ槍のようだ。
【リビングバイブル】
腕はよくても言うことを聞かない工員より、新米の工員のほうがいい仕事をすることがあります。


●以上から、「愚かな者」とのかかわり方を学ぶことができます。
(1) 「愚かな者」を称賛したり、栄誉を与えたりしてはならない(1, 8節)
(2) 「愚かな者」への答え方に注意すること(4, 5節)
(3) 「愚かな者」を信頼して何かをしてもらおうなどとは考えないこと(6, 10節)

●おそらくイェシュアもそのように対処したと考えられます。


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