****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

「次世代育成プロジェクト」の取り組み


「次世代育成プロジェクト」の取り組み

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●私の書斎に「コンサイス・バイブル 福音」というタイトルの本があります。これは聖書を配布している団体によって作られ、配布されている聖書です。「コンサイス」とは簡潔な、要領よくまとめられたという意味ですが、その内容は、旧約聖書の創造の物語と人間の堕罪、そしてノアの時代の神のさばきが記されて、そのあとに旧約のメシア預言のいくつかが紹介され、新約聖書のイエスの物語と終わりの時の教えが記された内容となっています。ここで私が言いたいことは、アブラハム・イサク・ヤコブの子孫であるイスラエルの物語がすっぽりと抜け落ちているということです。イスラエルの物語が完全に欠落した形の福音としてまとめられているのです。

●これまで伝え聞いて来たキリスト教の「福音」とは、この「コンサイス・バイブル」が象徴しているような「福音」だったということです。日本のような異邦人に福音を伝えていくためには、そのような、簡潔にまとめられた、パッケージ化された商品のような「福音」はまことに便利なものでした。伝道のツールとしての「四つの法則」に見られるように、「神」「罪」「救い」「信仰」で、ある意味、最少の知識だけで神からの永遠のいのちを得ることができるというものです。果たして、このような福音に対する理解だけで、次の世代に信仰を継承していって良いのかどうか、私自身懸念を抱くようになっていたとき、2013年5月に翻訳出版された、スコット・マクナイトという方の「福音の再発見」(中村佐知訳、キリスト新聞社)という本に出会いました。そして、これまでの福音の提示の仕方が、神のご計画の全体像を知ることを妨げているのだと確信しました。信仰の継承を祈っていくとき、この問題を避けて通ることは出来ないことを改めて悟ったのです。

●スコット・マクナイト師によれば、現在用いられている「福音」という言葉は、もはやイエスや使徒たちが意味していた本来の福音を示すものではなくなってしまったということです。彼は、「福音とは、イスラエルの物語を完成させるイエスの救いの物語であり、イエスは明らかに、イスラエルを救う神のご計画の中心に自分を据えていた。」と述べています。換言するならば、「福音とは、イスラエルのメシアであり、すべてのものの主であり、ダビデの裔(すえ)である救い主イエスの、その救いの物語によって完結するイスラエルの物語である」と言えます。コンパクトにパッケージ化された商品のような「福音」、つまり「個人的な救い」が強調されることによって、私たちは神のご計画全体に関心をもたなくなっているばかりか、同じく神のご計画の視点によって語られているイエスのことば(たとえ話も含めて)の多くを誤解して解釈しているという懸念があります。

●これからは教会の宣教の働きのためにも、聖書の壮大な物語を読み解くことのできる新しい世代が育成される必要があります。一見、回り道のように見えますが、これからの時代の教会の担い手を育成するためには必要不可欠な取り組みだと信じて、空知太教会ではイスラエルの物語の学びに取り組んでいます。「次世代育成プロジェクト」を通して良い実が結ばれるためには、連盟教育、教会教育、そして家庭教育の三つ巴の連携が不可欠であることは言うまでもありません。


2017.4.「日本神の教会新聞」(282号・春号)-への寄稿文より


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