****** 詩篇は、神と私たちの生きた関係を築く上での最高のテキストです。******

イッシャー・イルアット・アドナイ

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箴言は「父から子への知恵」、主にある家庭教育の根幹を学ぶ最高のテキストです。

40. イッシャー・イルアット・アドナイ(主を畏れる妻)

【聖書箇所】31章10〜31節

ベレーシート

  • 箴言の第1章7〜8節に「主を恐れることは知識の初めである。・・・わが子よ。あなたの父の訓戒に聞き従え。あなたの母の教えを捨ててはならない。」とあり、箴言の中では父から子への訓戒(「ムーサール」מוּסָר)が顕著です。ところが、箴言の最後の章では、家づくりにおいて妻(母)の存在がクローズアップされています。
  • 箴言31章10〜31節では、イスラエルの理想的な妻とはどういう妻かが取り上げられています。この箇所を通して、「たかが家事、されど家事」を悟らせようとしています。しかも、各節の初頭に22のヘブル文字「アーレフ・ベート」を使ってか書かれています。その目的は、日本のカルタのように、覚えやすくするという教育的配慮からです。

1. 「エーシェット・ハイル」(אֵשֶׁת־חַיִל)とは

  • 「エーシェット・ハイル」(אֵשֶׁת־חַיִל)の訳語は以下のように聖書によって様々です。なぜなら、一つの訳語では表わしきれない語彙だからです。

①「しっかりした妻」(新改訳)
②「賢い妻」(口語訳)
③「有能な妻」(新共同訳)
④「すぐれた女性」(ATD訳)
⑤「すぐれた婦人」(バルバロ訳)
⑥「善い妻」(フランシスコ会訳)
⑦「良い妻」(松田訳)
⑧「すばらしい妻」(尾山訳)


●「エーシェット・ハイル」(אֵשֶׁת־חַיִל)は、12章4節でも使われており、そこでは「しっかりした妻は夫の冠」とあります。原語の「ハイル」(חַיִל)の基本的な概念は「力」です。そこから「力強さ、能力、効果的な働き、価値ある宝、財産、軍勢」という意味になります。そうした力を持った妻が家事を取り仕切るとき、その家にどのような祝福がもたらされるかが記されているのです。

  • 今日の日本の核家族において、家にいて家事をする妻(女性)の評価は残念ながら高くありません。しかし、箴言において評価されている妻は、現代の私たちの想像を越えた妻なのです。箴言の「家事を取り仕切る」妻の姿は、まさに一国を統治する王のようです。聖書においては、「国」を建て上げることは、「家」を建て上げることに等しいからです。
  • 「エーシェット・ハイル」は、夫の名誉を高め、子どもに対する教育だけでなく、家全体を取り仕切るマネージメントのできるビジネス・ウーマンのような存在です。彼女は家のために熱意と喜びをもって生涯を費やすことを決意している女性なのです。
  • 家事の一切を取り仕切るために、彼女は朝早くから夜遅くまで忙しく働きます。家のしもべたちを従えて仕事を割り当て、料理のみならず、衣服づくりにいそしみます。それは糸をつむぐことからはじまり、それから布を織って服を仕立てるのです。そのおかげで家族は最高の衣服で身を包み、冬の寒さからも守られています。21節の後半に「家の者はみな、あわせの着物を着ているからだ」とあります。この「あわせの着物」と訳された原語「シャーニーム」(שָׁנִים)は「二、二重」を意味しますが、七十人訳聖書では「緋の衣」と訳しています。なぜなら緋色は「二度染め」を意味するからです。ここは「二枚重ねになった贅沢な服」と理解できます。
  • また彼女は、着物を作ってはそれを商人に売り、その利益によって土地(畑)を手に入れ、それをぶどう畑にすることで家の経済を豊かにしていきます。その勤労さのゆえに、将来に対して心配がありません。まさに彼女はビジネス的感覚をもった凄腕なのです。
  • そのうえ、悩む者(「アーニー」עָנִי)や貧困者(「エヴヨーン」אֶבְיוֹן)に対しても、彼女は「手を差し伸べて」親切にします(31:20)。原文では「手のひらを広げて、手を差し伸べて」です。「手をひらを広げる」とは「気前よく与える」ことを意味し、「手を差し伸ばす」とは「親切を施す」ことを意味します。
  • 彼女は知恵深く語る口をもち、その舌には恵みのおしえがあります。気品と知恵があります。それゆえ、彼女の子どもたちは自分の母を幸いな者と言い、夫も彼女を「しっかりしたことをする女は多いけれど、あなたはそのすべてにまさっている」と最高度に称賛しています(31:28~29)。
  • 以上のように、このような「しっかりした妻をだれが見つけることができよう」(31:10)と箴言は問いかけています。

2. 「イッシャー・イルアット・アドナイ」(主を畏れる妻)

  • 「しっかりした妻」(「エーシェット・ハイル」אֵשֶׁת־חַיִל)の秘密は、彼女が「主を恐れて(畏れて)いる」ことにあります(31:30)。「麗しさはいつわり、美しさはむなしい。しかし、主を恐れる女はほめたたえられる。」(31:30)とあるように、目に見える優雅さでもなく、美しさでもありません。「イッシャー・イルアット・アドナイ」(אִשָּׁה ירְאַת יהוה)です。それは「主を畏れる妻」であり、これこそがイスラエルの理想的な女性(妻)であり、宝石よりもはるかにまさる尊い存在なのです。
  • 「主を畏れる妻」ー「イッシャー・イルアット・アドナイ」(אִשָּׁה ירְאַת יהוה)、それは神の作品であり、また神の賜物です。次世代の子どもたちに良い家庭を築かせるために、どんなパートナーが必要なのかをここで教えています。目に見える「麗しく、美しい女(ひと)」ではなく、「主を恐れる(畏れる)女(ひと)」を神から与えてもらうことです。そのような女性と出会うことができるように、主に祈らなければなりません。


2016.2.12


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