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エドム滅亡の預言とその理由

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1. エドム滅亡の預言とその理由

【聖書箇所】オバデヤ書1章1〜14節

ベレーシート

  • 「エドム」とは、エサウの子孫の総称であると同時に、神に敵対する勢力、あるいは、歴史における反ユダヤ主義的勢力を象徴しています。 私が以前、詩篇137篇を瞑想していた時に、唐突に、「主よ。エルサレムの日に、『破壊せよ。破壊せよ。その基までも。』と言ったエドムの子らを思い出してください。」とあるのを読んで、なぜそれほどまでにこのようなことを言うのだろうか、と驚いたことがありました。しかしオバデヤ書の中に記されていることを知るならば、よく理解することができるのです。エサウとヤコブとの兄弟間の確執が最も鮮やかに表わされたは、バビロンによるエルサレムの崩壊の時だったからです。彼らはB.C.586年にエルサレムを滅ぼした敵であるバビロンに加担し、先に立ってヤコブの子孫に対して殺戮と暴虐を加えたのです。詩篇137篇の「エルサレムの日に」とあるのは、「エルサレムが主によって回復される日に」と解釈できます。すなわち、メシア王国が実現する日です。

1. エドムに対する確実な滅びの預言

  • オバデヤに示された啓示の内容が2節以降に記されています。

    【新改訳改訂第3版】オバデヤ書
    2 見よ。わたしはあなたを国々の中の小さい者、ひどくさげすまれる者とする

    3 あなたの心の高慢は自分自身を欺いた。あなたは岩の裂け目に住み、高い所を住まいとし、「だれが私を地に引きずり降ろせようか」と心のうちに言っている。
    4 あなたが鷲のように高く上っても、星の間に巣を作っても、わたしはそこから引き降ろす。──【主】の御告げ──

    5 盗人があなたのところに来れば、夜、荒らす者が来れば、あなたは荒らされ、彼らは気のすむまで盗まないだろうか。ぶどうを収穫する者があなたのところに来るなら、彼らは取り残しの実を残さないだろうか。
    6 ああ、エサウは捜し出され、その宝は見つけ出される
    7 あなたの同盟者がみな、あなたを欺き、あなたを国境まで送り返し、あなたの親しい友があなたを征服し、あなたのパンを食べていた者が、あなたの足の下にわなをしかける。それでも彼はそれを悟らない。
    8 その日には、──【主】の御告げ──わたしは、エドムから知恵ある者たちを、エサウの山から英知を消し去らないであろうか。
    9 テマンよ。あなたの勇士たちはおびえる。虐殺によって、エサウの山から、ひとり残らず絶やされよう。
    10 あなたの兄弟、ヤコブへの暴虐のために、恥があなたをおおい、あなたは永遠に絶やされる

  • 2~10節にあるすべての動詞は将来なされることとして語られていますが、すべて完了形が使われています。つまり、「預言的完了形」です。人間の時間の流れとしては未来に起こる出来事ですが、あたかもそれが実現したかのように語られているのです。オバデヤ書では、以下のように、エドムの完全な滅びが預言されています。

    ①10節「あなたの兄弟、ヤコブへの暴虐のために、恥があなたをおおい、あなたは永遠に絶やされる。」
    ②18節「エサウの家には生き残る者がいなくなる。」

  • アモス書においても、エドムの滅びの預言が語られています。

    【新改訳改訂第3版】アモス書1章11~12節
    11 【主】はこう仰せられる。「エドムの犯した三つのそむきの罪、四つのそむきの罪のために、わたしはその刑罰を取り消さない。彼が剣で自分の兄弟を追い、肉親の情をそこない、怒り続けていつまでも激しい怒りを保っていたからだ。
    12 わたしはテマンに火を送ろう。火はボツラの宮殿を焼き尽くす。」


    ●ここには容赦のない神のさばきが強調されています。「取り消さない」と訳されたヘブル語は「ロー・シューヴ」(לֹא שׁוּב)で、「撤回しない」(岩波訳)、「後へは引かない」(関根訳)、「ゆるさない」(口語訳)、「決してゆるさない」(新共同訳)、「容赦しない」(フランシスコ会訳)とも訳されています。

  • 最後に、エドムに対する完全なさばきを強調しているオバデヤ書の5節を見ておきたいと思います。

    【新改訳改訂第3版】
    5 盗人があなたのところに来れば、夜、荒らす者が来れば、あなたは荒らされ、彼らは気のすむまで盗まないだろうか。ぶどうを収穫する者があなたのところに来るなら、彼らは取り残しの実を残さないだろうか。

    【新共同訳】
    5 もし、盗人がお前のところに押し入り/夜の侵略者が来れば/いかに、お前は痛めつけられることか。彼らは欲しいだけ盗んで行くではないか。ぶどうを収穫する者が、お前のもとに来れば/取り残しの実しか残さないではないか。

    【口語訳】
    5 もし盗びとがあなたの所に来、強盗が夜きても、彼らは、ほしいだけ盗むではないか。ああ、あなたは全く滅ぼされてしまう。もしぶどうを集める者があなたの所に来たなら、彼らはなお余りの実を残さないであろうか。

    【フランシスコ会訳】
    盗人がお前の所にやって来れば、お前はどんなに荒らされることだろう。彼らは必要なだけを盗まないだろうか、


    ●5節の意味は、盗人であっても必要なものだけを盗むであろう。ぶどうを収穫する者も必ず貧しい人々のために取り残しをするものだ。しかし、エドムのために残れるものは皆無であることが強調されています。私的にはフランシスコ会訳がそれをよく表わしている訳ではないかと思います。「十分」を意味する「ダイ」(דַּי)が「ほしいだけ、気のすむまで」と訳されると貪欲なイメージになってしまうような気がします。盗人とぶどうの収穫者とがエドム人の姿と対比されています。


2. エドムが永遠に絶やされるその理由とは

  • エドムが神のさばきによって「永遠に絶やされる」その理由があります。それは以下の二つです。

(1) 心の高慢

【新改訳改訂第3版】オバデヤ書3節
あなたの心の高慢は自分自身を欺いた。あなたは岩の裂け目に住み、高い所を住まいとし、「だれが私を地に引きずり降ろせようか」と心のうちに言っている。

  • エドムは「岩の裂け目に住み、高い所を住まい」とする地形的に堅固な岩のとりでが多く、その利点と過信から他国から攻撃をうけないと信じていたようです。その心の高慢を主は指摘し、「わたしはそこから引き降ろす」と宣告しています(4節)。

(2) 同胞に対する災難を喜んだこと

【新改訳改訂第3版】オバデヤ書10~14節
10 あなたの兄弟、ヤコブへの暴虐のために、恥があなたをおおい、あなたは永遠に絶やされる。
11 他国人がエルサレムの財宝を奪い去り、外国人がその門に押し入り、エルサレムをくじ引きにして取った日、あなたもまた彼らのうちのひとりのように、知らぬ顔で立っていた
12 あなたの兄弟の日、その災難の日を、あなたはただ、ながめているな。ユダの子らの滅びの日に、彼らのことで喜ぶな。その苦難の日大口を開くな
13 彼らのわざわいの日に、あなたは、わたしの民の門に、入るな。そのわざわいの日に、あなたは、その困難をながめているな。そのわざわいの日に、彼らの財宝に手を伸ばすな
14 そののがれる者を断つために、別れ道に立ちふさがるな。その苦難の日に、彼らの生き残った者を引き渡すな

  • 上記の箇所の「~した日」「~の日」と繰り返されている「日」とは、エルサレムが神の矯正的な懲らしめの日として許された主の「定めの日」を意味します。具体的には、エルサレムがバビロンによって破壊される日です。その日に、主はエドムに対して「~するな」と「~してはならない」と繰り返し訴えています。しかし、実際には、エドムはその日に、ただ傍観し、それを喜び、大口をたたき、財宝に手を伸ばしてそれを略奪し、またエルサレムから逃れたユダの人々を捕らえてバビロンに引き渡したのです。このことのゆえに、15節では「主の日は・・・あなたがしたように、あなたにもされる。あなたの報いは、あなたの頭上に返る。」と宣告されています。

2015.5.27


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