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バビロン、最後の日の出来事

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6. バビロン、最後の日の出来事

【聖書箇所】 5章1節~31節

ベレーシート

  • ダニエル書5章には、バビロン王国(新バビロニア帝国)の最後の日の出来事が記されています。至上最強の絶対専制君主を誇ったバビロン帝国は、今や静かに、その86年の歴史を閉じようとしていました。ダニエルもこの時、すでに80歳前後になっていました。
  • 初代の王はナボポラッサル(B.C.626~605)。しかしB.C.605年8月15日にナボポラッサルが死去すると、息子のネブカデネザルは急遽バビロンへ帰還して王位を継ぎバビロンの王となりました(B.C.604~562)。彼はネブカデネザル2世とも呼ばれます。第三代目はネブカデネサルの息子のエビル・メロダク(562~560)、彼は2年の治世の後に暗殺。ネブカデネザルの娘の夫であるネリグリッサロスが即位(B.C.560~556)、そしてその息子ラバシマルドゥクは治世2ヶ月で暗殺。その後、ネブカデネザルのもうひとりの娘(ニトクリス)の夫ナボニドスが即位(B.c.556~539)。彼はほとんど外征していたため、息子のベルシャツァルが内政を司り、共同統治していた(B.C.553~539)。
  • ちなみに、5章2節の「父ネブカデネザル」、および18節で、ダニエルがベルシャツァルに対して「あなたの父上ネブカデネザル」と語っています。そのままでは誤りです。しかしヘブル語(アラム語)には祖父や孫を表す語が存在せず、子孫を「子」、祖先を「父」というため、「父上」という表現が「父王ネブカデネザル」、あるいは「父祖である王ネブカデネザル」という意味で記述されたと理解すれば、これは誤りとは言えません。

1. 宮殿の壁に神の指によって記された文字

画像の説明

レンブラント「ベルシャツァルの饗宴」.JPG
  • ベルシャツァルが千人の貴人たちのために大祝宴会を催しました。そのときに、かつてネブカデネザルがエルサレムの神殿の本堂から取ってきた金や銀の器を持ってこさせて、その器でぶどう酒を飲み、かつ偶像の神々を賛美したのです。そのときです。突然、人間の手の指が現われ、王の宮殿の塗り壁に文字が書かれました。「指」とは神の霊を象徴しています。聖なるトーラーは「神の指で」書かれました(出31:18、32:16)。
  • 王が壁に現れた指を見たとき、その「顔色は変わり、それにおびえて、腰の関節がゆるみ、ひざはがたがた震えた」と記されています(5:6)。王はバビロンの知者たちを集めて、その文字を読み、その解き明かしをするように命じましたが、だれもその文字を読むことも、解き明かす者もいませんでした。
  • このことを聞いた王母は、宴会の広場に入って来て、息子のベルシャツァルに「あなたの王国には、聖なる神の霊の宿るひとりの人がいます」と言って、ダニエルを紹介しました。すでに60年以上の年月が経過しており、ダニエルのことを知っている者はいなかったようです。王母が彼女の父ネブカデネザルの時代に用いられたダニエルを思い出して、王に進言したのでした。
  • そして、ダニエルが呼び出されました。ダニエルはこの文字を解き明かす前に、なぜこの文字が書かれたかのかを説明したのです。要点はこうです。父祖のネブカデネザルの心が高ぶり、高慢にふるまったので、神はその王座から彼を退け、その王座を奪いました。そのためにネブカデネザルは獣と等しくなり、精神の病を引き起こしました。

2. ダニエルを通して語られた神のさばきのことば

  • ダニエルがベルシャツァルに語ったのは、神からの警告ではなく、神からのさばきでした。そのさばきの理由は、ベルシャツァルがネブカデネザルに起こった事をすべて知っていながら、心を低くしなかったということでした(5:22)。そのように宣告して、壁に書かれた文字の意味を説き明かしたのです。

メネ、メネ、テケル、ウ・パルシン

これはアラム語です。
(1)「メネ」は、動詞「メナー」(מְנָה)の分詞受動態単数で「数えられた」という意味。ダニエル書5章26節には「神があなたの治世を数えて終わらせられたということ」だと明かされます。

(2)「テケル」は、名詞「テケール」(תְּקֵל)で、度量の単位でヘブル語の「シェケル」(שֶׁקֶל)のことで、ダニエル書5章27節では、「あなたがはかり量られて、目方の足りないことがわかった」という意味であると明かされます。

(3)「ウ・パルシン」の「ウ」は接続詞。「パルシン」は動詞の完了形受動態単数の「ペラス」(פְּרַס)、ヘブル語の「パーラス」(פָּרַס)のことで、分割されることを意味します。ダニエル書5章28節には「あなたの国が分割され、メディヤとペルシヤとに与えられるということ」だと明かされています。

  • 5章30~31節には「その夜、カルデヤ人の王ベルシャツァルは殺され、メディヤ人ダリヨスが、・・その国を受け継いだ」とあります。まさに神のさばきは「ノアの日」のように、思いがけない時にやってきます。バビロンはそのようにして終局を迎えたのです。

3. 付記

  • 聖書には記されていませんが、バビロンが血を流すことなく、いとも簡単に攻め取られたその事情がありました。

    ベルシャツァルは、迫り来るメディヤ・ペルシャの連合軍の戦略と勢いに対して過信していました。バビロンは難攻不落を誇る頑丈な二重の城壁に囲まれており、その上、大ユーフラテス川の水によって堀が巡らされ,いかなる敵の侵入をも阻めると考えていたようです。

    画像の説明

    ところが、メディヤ・ペルシャの連合軍は、ユーフラテス川の上流に支流を開いて、川の水の流れを変えてしまいました。そのため城壁の堀に流れていた水は干上がり、メディヤ・ペルシャの連合軍は難なくその乾いた所を通ってバビロンの城壁内に侵入したのです(無血入城)。87年間続いたバビロン帝国の支配は、あっけなくその幕を閉じたのでした。


2013.8.16


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