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詩3篇の修辞(2)

詩3篇の修辞(2) 「頬を打つ」、「歯を打ち砕く」


  • 詩篇3篇の7節後半
    「あなたは私のすべての敵の頬を打ち、
    悪者の歯を打ち砕いてくださいます。」
    という表現を取り上げます。
  • 神に逆らう敵や悪者に対する神のさばきの様態を表わす修辞的表現を、詩1篇では「風が吹き飛ばすもみがらのよう」(直喩)、詩2篇では「焼き物の器のように粉々に」(直喩)、詩3篇では「頬を打ち、歯を打ち砕く」という身体にかかわる比喩によって表現されています。
  • 「頬を打つ」とは、相手を侮辱し、屈辱を与えることを意味します。また「歯を打ち砕く」とは、強い相手の力をへし折ることを意味します。ダビデは自分で神に敵対する者に報復することなく、神にそのさばきをゆだねています。それゆえ、「主よ。立ち上がってください。」(7節)と祈り、「救いは主にあります。」(8節)と告白しているのです。
  • ここにも「盾」という暗喩と同様、神に対する信頼を見ることができます。まさに詩3篇は、ダビデの霊性の深みが如実に現されている詩篇といえます。

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