****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

連帯意識と正確な情報の収集による周到な準備

2. 連帯意識と正確な情報の収集による周到な準備

【聖書箇所】 1章10節~2章24節

はじめに

  • 主からの任命を受けたヨシュアは、カナン入国のための周到な準備をしたことが今日の箇所です。2節において神から再度のチャンスを与えられ、しかも「あなたの一生の間、だれひとりとしてあなたの前に立ちはだかる者はいない。」と神からの無敵の確証が与えられました。にもかかわらず、すぐには行動せず、ヨシュアは細心の、用意周到な準備をしたことが分かります。ヨシュアは前もって注意深く作戦を立てたのです。

1. 指揮系統の確認(1:10~11)

  • 「そこで、ヨシュアは民のつかさたちに命じて言った。」(10節)とあります。リーダーの大切な務めは「指示と判断」です。これを明確に示すことでリーダーとしての資質が問われます。リーダーの指示で民全体は動きます。したがってヨシュアがまず最初にしたことは、各部族のリーダーを通して、いつ、どこへ、何を、どうするのかという指示を出すことでした。すべての民にその指示と判断を周知徹底させるためには、指揮系統がはっきりとしていることが先決です。
  • ヨシュアの指示した内容は、約束の地に向かって出発する期限を三日と指示しました。ヨシュアが当初、出発まで三日を要すると判断したのは、多くの民たちの食糧を確保すること、そして連帯意識を確認すること、および斥候を遣わして敵の情報を収集するためでした。しかし実際には斥候を遣わして帰ってくるまでに予想以上の時間を要しました。リーダーには臨機応変な、柔軟な姿勢が求められます。

2. 連帯意識の確認(1:12~18)

  • カナン入国には戦いが必須でした。そのためにヨシュアは特に、ルベン、ガド、マナセの半部族たちの連帯意識を確認する必要がありました。彼らは多くの家畜を持っていたため、かつてモーセにヨルダンの東側にとどまりたいと申し出ました。その時モーセは「どうしておまえたちはイスラエルの民の意気をくじくのか」と怒りましたが、彼らが他の部族がおのおのの相続地を受け継ぐまでに、武装して民の先頭に立って戦うこと、それまでは自分たちの家に帰らないということを条件に承諾されていました。ヨシュアはその約束を確認することで協力を要請し、連帯意識を明確にさせました。

3. 敵の正確な情報を収集すること(2:1~24)

  • ヨシュアは敵に対する正確な情報を得るために二人の斥候を遣わしました。ヨルダン河を渡って後、最初の攻略地となるエリコの町は最も古いきわめて強固な城壁を持つ町でした。遣わされた二人の斥候は目的を果たすために、「ラハブという名の遊女の家に入り、そこに泊まった」(2:1)とあります。
  • 彼らがラハブの家に泊まった理由は、第一によそ者が行っても怪しまれないと考えましたが、その考えは失敗しました。第二の理由は、彼女の家にはさまざまな情報が得られると考えたからでした。その考えは成功したのです。むしろ、彼らの思いを越えた情報がエられたのです。
  • かつて40年前に遣わされた斥候たちは自分たちよりも強いアナク人を見て、彼らに勝てないばかりか、自分たちの妻や子どもたちが殺されてしまうと考えて民の心をくじき、その結果、40年間も荒野をさまよい、結果として第一世代の者はカレブとヨシュアを除いてみな死んでしまいました。しかし、今度は敵の外部情報ではなく、敵の内部情報を得ることができたのです。その情報はなんと遊女ラハブによってもたらされました。
  • ラハブを通して得られた情報とは、敵が「心がしなえて、もうだれにも、勇気がなくなってしまっている」という情報でした。これほど重要な情報はありません。心が「しなえて」と訳されたヘブル語は「マーサス」(מָסַס)です。「マーサス」の本来の意味は「溶ける、やせ衰える」という意味ですが、ニファル態度では「(心が)くじける、しなえる」という意味になります。ヒフィル態では「くじけさせる」の意。
  • 申命記1:28にはモーセが40年前の斥候の報告のことにふれて「『その民は私たちよりも大きくて背が高い。町々は大きく城壁は高く天にそびえている。しかも、そこでアナク人を見た。』と言って、私たちの心をくじいた(מָסַס)。」と叱責しています。心がくじけていては戦うことは到底できません。同じく、申命記20:8では戦いに際してこう述べています。「恐れて弱気になっている者はないか。その者は家に帰れ。戦友たちの心が、彼の心のようにくじけさせるといけないから。」と。「マーサス」(מָסַס)は伝染性があるようです。
  • この情報を与え、しかも斥候を匿い、そして難を逃れさせたラハブ(彼女の両親と兄弟も)はカナンの地において唯一主の救いを得、やがてはイエス・キリストの系図にも加わることになります。彼女のしたことはまさにいのちがけの行為であり、神を恐れる「信仰によって」なされたことであると賞賛されています(ヘブル11:31)。
  • ちなみに、「心がくじける、しなえる」という「マーサス」(מָסַס)は、ヨシュア記2:11だけでなく、5:1、7:5にも使われています。その反対は「強くある」(「ハーザク」חָזַק)、「雄々しくある」(「アーマツ」אָמַץ)ことですが、これもまた伝染性があることなのです。

2012.3.10


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