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ダビデには霊的メンターか与えられていた

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17. (付記)「ダビデには霊的メンターが与えられていた」

【聖書箇所】Ⅰ歴代誌 17章1~27節

  • Ⅰ歴代誌17章にいきなり預言者ナタンが登場します。預言者ナタンはダビデの霊的なメンターです。そもそも、「メンター」という言葉は、ギリシア神話に登場するすぐれた指導者の名前「メントール」(mentor)に由来します。そこから、自分の仕事や人生において助言してくれるすぐれた信頼できる指導者を意味します。
  • 預言者ナタンはダビデの人生に神が備えられた信頼できる霊的なメンターでした。「霊的な」というのは「政治的な」という意味ではないということです。ダビデには政治的なメンターとして、有能なアヒトフェルがおりました。そのアヒトフェルがアブシャロムの謀反に荷担したとき、ダビデはアブシャロムに対する彼の助言を恐れたほどです。もし、アブシャロムがアヒトフェルの助言に従ったていたなら、ダビデは殺されたかもしれません。しかしそうはならなかったのです。ここに神の歴史支配の妙があります。
  • 政治的なメンターのことをヘブル語では「ヨーエーツ」(יוֹעֵץ)と言い、「議官」(新改訳)、「顧問」(新共同訳)と訳されています。「ヨーエーツ」(יוֹעֵץ)の語源は動詞「ヤーアツ」(יָעַץ)で、その初出箇所は出エジプト記18章19節です。イスラエルの民が抱えている問題を朝から晩まで一人で扱っていたモーセを見たしゅうとのイテロ(ミデヤンの祭司イテロ)は、「あなたのしていることは良くありません。あなたも、あなたといっしょにいるこの民も、きっと疲れ果ててしまいます。」と重荷を分担する助言をしたのです。
  • このように、モーセに対して助言した者は他にいません。兄のアロン、姉のミリアムでさえもモーセに助言してはいません。真のメンターはそう簡単にはいないのではないでしょうか。もしいるなら神の恵みです。ダビデには預言者ナタンがおりました。したがってダビデは預言者ナタンの言うことに逆らうことはありませんでした。彼の助言を信頼し、決して無視することはありませんでした。
  • 「私のメンターは・・・」と言うのが今日のひとつの流行のようです。それは「私には多くの友人がおります」というよりもずっと重みのあることばだからです。多くの友人を持つこと以上に、信頼できるひとりのメンターを持つことの方がより価値があるからだと思います。
  • 旧約の預言者は、神が王に対して与えた「メンター」であり、その存在が機能不全に陥らない限り、神の祝福を受けたのです。王となったダビデのメンターは預言者「ナタン」ですが、その人物をダビデに与えたのは神ご自身でした。ですから、ダビデの真のメンターは神ご自身だと言えます。したがってダビデは以下のように語っています。

【新改訳改訂第3版】詩篇16篇7節
私は助言を下さった【主】をほめたたえる。
まことに、夜になると、私の心が私に教える。

●また、主ご自身もダビデに対して以下のように約束しています。

【新改訳改訂第3版】詩篇32篇8節
わたしは、あなたがたに(原文は単数形の「あなたに」)悟りを与え、行くべき道を教えよう。
わたしはあなたがたに(原文は単数形の「あなたに」)目を留めて、助言を与えよう


2017.2.22


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