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主の御名によって祈ることを始めた

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36. 主の御名によって祈ることを始めた

【聖書箇所】 創世記4章26節

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【読み】
ーズ フール リクー ベシェーム アドナー

【文法】
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動詞の「ハーラル」と「ハーラル」の頭の文字に注意。わずかな違いですが、意味が全く異なります。「頭文字」が「ヘイ」(ה)の場合の「ハーラル」הָלַלは「輝く、ほめたたえる」の意味になりますが、「頭文字」が「ヘット」(ח)の場合の「ハーラル」חָלַלは「身を汚す、冒瀆する、始まる」の意味になります。

御名を呼ぶことは、祈ることを意味します。セツが自分の息子をエノシュと「名付けた」のも、御名を「呼ぶ、祈る」のも、使われている動詞は同じく「カーラー」קָרָאです。

【翻訳】

【新改訳改訂3】
セツにもまた男の子が生まれた。彼は、その子をエノシュと名づけた。
そのとき、人々は【主】の御名によって祈ることを始めた。
セツにもまた男の子が生れた。彼はその名をエノスと名づけた。
この時、人々は主の名を呼び始めた。
【新共同訳】
セトにも男の子が生まれた。彼はその子をエノシュと名付けた。
主の御名を呼び始めたのは、この時代のことである。
【NKJV】
And as for Seth, to him also a son was born; and he named him Enosh.
Then men began to call on the name of the Lord.


原文では「呼び始めた」の主語が単数になっているもかかわらず、口語訳、新改訳、NKJV訳では「人々は、men」と訳しています。しかし、新共同訳ではあえてその主語を訳していません。

【瞑想】

創世記4章には、カインとアベルのことが記され、兄のカインが弟のアベルを殺すという人類最初の殺人事件が記されています。しかしそれ以上に、この4章において重要なのは、カインの系譜とセツの系譜の対照的なはじまりが記されていることです。カインの系譜は神を信じない不敬虔な流れであり、一方のセツの系譜は神を信じる流れです。時間的な流れで言えば、カインの流れにおいては「カインには7倍の復讐があれば、レメクには70倍」(4:24)とあるようにレメクの罪の恐るべき姿が記されています。恐れからくる自己防衛のための戦いや復讐が肥大していた時代に対抗するもう一つの霊的な流れとして、セツとその息子エノシュから「主の御名よって祈ることを始めた」人々が台頭してきたのです。この二つの流れを心に留めたいと思います。

カインの子孫たちによる殺戮や暴力などが全地を横行するなかで、神は救済史的な目的を持ってセツを与えました。「セツ」の名前の語源は動詞の「シート」שִׁיתで、「立てる、固定させる」という意味です。神はセツによって神と人との本来あるべき正しいかかわりを再び固く立てなおそうとされたのです。またセツは「基礎、土台」といった意味もあります。神の人とのかかわりが力強く根づくことを願われたのかもしれません。神の約束はカインの系譜ではなく、セツの系譜に与えられました。神はセツによって神と人との本来あるべき正しいかかわりを再び固く立てなおそうとされたのです。このセツからエノシュが生まれます。

「エノーシュ」אֱנוֹשׁの語源は動詞の「アーナシュ」ׁאָנַשׁで、「壊れやすい、なおらない、癒えない」といった宿命的な弱さを表わすことばです。こうした弱さのゆえに、セツの系譜の人々は、主の助けがなければ罪の誘惑に勝てないことを悟ったのかもしれません。「弱さを持った人」としての「エノシュ(人、人々)」の誕生は、彼らをして「主の御名を呼ぶ」ことを始めさせました。

セツの系譜はレメクの恐るべき罪が影響する世界において、はじめて、神に祈り、神を求めて霊性の回復を目指す共同体が神によって堅く建てられたと言えます。私たちもその系譜の流れの中にキリストにあって置かれていることを知り、この世の流れに流されることなく、この世にあってこの世のものではないという「聖なる民」としての歩みが求められていることに心を留めたいものです。


2013. 3.22


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