新しいエルサレム神殿 (2) 本堂
エゼキエル書の目次
39. 新しいエルサレム神殿 (2) 本堂
【聖書箇所】 41章1節~26節
エゼキエルに啓示された新しい神殿の本殿の平面図
ベレーシート
- エゼキエルに啓示された神殿の幻は、キリスト再臨後に実現する千年王国時代にエルサレムに建てられる神殿です。霊的な神殿ではなく、実際に目に見える神殿(第四神殿)と考えられます。主にある者たちはキリスト再臨時に携挙されるか、復活されるかして、実際にこの第四のエルサレム神殿で礼拝することになるはずです。その千年王国時代にはイエスをメシアと信じる「ユダヤ人(イスラエル人)と異邦人」しかおりません。パウロのいう「新しいひとりの人」としての教会の完全な姿です。サタンは幽閉されているので真の平和が訪れます。メシアによる統治によってユダヤ人と異邦人は共同相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となります(エペソ3:6)。
- エゼキエル書41章には、エルサレムの神殿の本殿の部分、つまり神殿の本体が説明されています。神殿は「玄関の間」と「聖所」(本殿)と「至聖所」の三つの部分から成っています。エゼキエルは祭司であったためか、そこに入る資格があったのです。
1. 至聖所に至るまでの入り口の幅
- 41章1節に「彼は私を本堂へ連れて行った」とあります。「本堂」とは神殿の「聖所」の部分で、ヘブル語では「ヘーハール」(הֵיכָל)で「宮、神殿、本堂」とも訳されます。「聖所」の長さは40キュビト、幅は20キュビトの長方形で、この比率はモーセの幕屋と同じです。至聖所は20キュビトの正方形。この比率も幕屋と変わりません。そして、神殿の玄関口から至聖所に至るまでの入り口の幅の寸法が記されています。最初の玄関の幅は14キュビト(40:48)、本堂の入り口の幅は10キュビト(41:2)、そして至聖所の入り口の幅は6キュビトです(41:3)。上図で見分けられるように、14⇒10⇒6と至聖所に近づくにつれて、門の幅が次第に狭くなっていきます。イエスが「狭い門から入りなさい」と言ったことばを思い起こさせます。
2. 脇にある部屋(脇間)
- 聖所、至聖所の周囲を囲む脇には脇間があります。脇間は三階建てになっており、各階に30の脇間(全部合わせると90の脇間)があります。これらは神殿の壁に対して造られており固定されていました。脇間はソロモン神殿にもありました。これら脇間は祭司の部屋、あるいは彼らが務めに必要なものを保管する物置と思われます。「脇間」のヘブル語は「ツェーラー」(צֵלָע)と言い、創世記2章21~22節にある「あばら骨」と同じ語彙です。
- 40章17~18節にも外庭に30の部屋が作られていました。これらの部屋はおそらく一般の礼拝者用の部屋と思われますが、本堂の脇間は祭司たちが使う部屋でした。「30」という数字は、神に仕える務めをする者の献身の年齢です。祭司がその務めを始める年齢は30歳でした。イエスも公生涯に入られた時は30歳でした。これは偶然ではなく定められた年齢でつながっているのです。ちなみに、エジプトの宰相となったヨセフ、また王位についたダビデも同じく30歳でした。
3. 神殿の外部の寸法はすべて百キュビト
- 40章48節~41章12節までに書き記されたすべての部分の寸法を計算すると、神殿の外部の寸法はすべて百キュビトになります。すべてが計算された配置なのです。
4. 神殿内部の装飾
- 41章15節後半から18節にかけて、神殿内部の装飾についての記述があります。それによれば、内部一面に木の羽目板が壁に張り巡らされています。またすべての壁には、ケルビムとなつめやしの木が、交互に彫刻されています。ケルビムの顔には人間の顔と獅子のふたつの顔(牛と鷲の顔はありません)が、両側でそれぞれなつめやしの木の方を向いていました。これはソロモン神殿にも同じく装飾されていました(Ⅰ列王記6:29)。なつめやしの木は神聖さと平和を象徴する木です。
2013.7.10
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