****** 詩篇は、神と私たちの生きた関係を築く上での最高のテキストです。******

最後良ければすべて良し

士師記の目次

14. 最後良ければすべて良し

【聖書箇所】 16章1節~31節

はじめに

  • 「最後良ければすべて良し」ということわざがありますが、このことわざが最もフイットするのがサムソンの生涯のように思えます。プロセスを大切にする人には到底受け入れがたいことかもしれません。
  • サムソンは他の士師たちと比べると、きわめて毛色の異なった士師と言えます。彼の並外れた怪力、そして弱さともろさが目立ちます。また、彼の時代は、イスラエル人が40年もの間、ペリシテの手に渡されていたにもかかわらず、苦しみの叫びが記されていないことも奇異ですし、ペリシテ人に打撃を加えたのはサムソンただ一人であったことも非常に奇異です。いずれにしても、サムソンの失敗も含めて、彼によってペリシテ人に大きな打撃を与えたことは確かです。

1. 女性の「涙」と「せがみ」に崩れたサムソン

  • 人間にはある面は非常に強くても、ある面は非常に弱いということがあります。それはサムソンにも言えることです。彼は自分の気に入った女性、自分の愛した女性の涙と執拗なせがみには弱かったことを聖書は記しています。

(1) ティムナの女性(ペリシテ人の娘)

  • サムソンは両親の反対にもかかわらず、ティムナに住む一人の女性を気に入ったことで自分の妻とします。その婚礼の折りに彼はなぞかけをしますが、サムソンの妻は夫に「泣きすがって」(16節)、「しきりにせがんで」(17節)、そのなぞの解き明かしを引き出しました。「泣きすがった」も「しきりにせがんだ」も同じく「バーハー」בָּכָהという動詞が使われています。「ハーバー」בָּכָהは「泣く、泣きつく、泣き悲しむ」という意味ですが、サムソンは妻の涙に弱かったようです。彼は妻から「あなたは私のことを憎んで、愛していない」と「泣きつかれた」のです。そのために彼はなぞを明かし、そのためにアシェケロンにまで行ってペリシテ人の住民30人を打ち殺して、はぎ取った着物を奪い取ってなぞを解き明かした者たちに与えなければなりませんでした。はからずも、サムソンが妻になぞを解き明かしたことでペリシテ人に打撃を加えるということが生じましたが、サムソンが怒りを燃えたぎらせて自分の家に帰ってしまったことから、サムソンの妻の父(ペリシテ人)はサムソンに付き添っていた人に嫁がせてしまいました。
  • そのことを知らずに妻を訪ねたサムソンは事実を聞かされ、きつね(ジャッカル)300匹を捕えて尻尾と尻尾を結び合わせ、その中央に松明を取り付け、さらに火をつけてペリシテ人の麦畑に放したことで大打撃を与えて復讐しました。そのためにペリシテ人は娘を他の者にとつがせた父とその娘(サムソンの妻)を殺します。そしてそのことを知ったサムソンはさらなる復讐を誓います。‥‥結果としてして、サムソンはペリシテ人を新しいろばのあご骨で千人を打ち殺して、ペリシテに大きな打撃を与えました。

(2) ソレクの谷に住む女性デリラ

  • サムソンとティムナの女との間に起こった出来事(14章~15章)は、ソレクの谷に住む女性デリラとの間においても同じことが起こりました(16章~17章)。
  • サムソンはデリラを愛しましたが、ペリシテ人に買収されたデリラはサムソンに力の秘訣を聞こうと執拗に口説きました。サムソンはそれを三度かわしますが、彼女から「あなたの心は私を離れているのに、どうしてあなたは『おまえを愛する』と言えるでしょう、とその言行不一致を訴えられ、来る日も来る日もしつこく責め立てたことでサムソンは耐えられなくなり、力の秘密を打ち明けてしまいます。その秘密とは「もし髪の毛を剃り落とされるならば、力はなくなって、普通の男と全く同じになってしまう」というナジル人の誓約でした。
  • デリラはその秘密をペリシテの領主たちに知らせたことで莫大な賄賂を受け取り、サムソンは彼女の膝下で髪の毛を剃り落とします。その結果、力はサムソンから去ってしまいました。彼は両目をえぐり取られ、ガザに連れて行かれ、青銅の足かせをはめられ、地下の獄屋で臼を引かせられました。

2. サムソンの壮絶な最期

  • どれほどの期間が経ったのかわかりませんが、サムソンの髪の毛はまた伸び始めていました。それはサムソンにとって悔い改めの期間でもあったはずです。
  • ペリシテの領主たちがタゴンの神に盛大ないけにえをささげるために集まった時、サムソンは余興のための笑いものにされようとしていました。そのときサムソンは主に「ああ、神よ。どうぞ。この一時でも、私を強めてください。・・もう一度ペリシテ人に復讐したいのです」と祈りました。その祈りは主に聞かれて、神殿を支えている2本の中柱を力をこめて引いたことで、神殿が崩れ、ペリシテの領主たちをはじめペリシテ人3千人が犠牲となりました。
  • サムソンの失敗にもかかわらず、主は彼を通して、結果的にはペリシテ人に大きな打撃を与えたと言えます。サムソンは人間的には弱さやもろさを抱えておりましたが、神との誓約により人並み離れた力を神から与えられていました。しかし神とのかかわりが狂いはじめた時、その力は喪失するという経験をしました。サムソンの生涯の教訓は、人とのかかわりよりも(それが自分の愛する妻であったとしても)、神とのかかわりを常に最優先すべきこと。もしそのかかわりが希薄になるなら(崩れるなら)、神からの力を喪失してしまうということです。

2012.5.2


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