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礼拝用語Ps11

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詩11篇「仰ぎ見る、目を注ぐ」 חָזָה ハーザー   

〔カテゴリー渇望〕

7節「直ぐな人は、御顔を仰ぎ見る。」

Keyword; 「仰ぎ見る」 see, look upon, behold, gaze 11:4, 7/17:2, 15/27:4/46:9/58:9, 11/63:2

  • 「仰ぎ見る」と訳された「ハーザー」(חָזָה)は「見る、目を注ぐ、注視する、見渡す、預言する、仰ぎ見る」という意味です。すでに4節にもこの動詞が使われていますが、そこでは主の目が人の子らを注視する、見渡すという意味で使われています。詩篇11篇7節、17篇15節では「御顔」を、27篇4節では「主の麗しさ」を、46篇9節では「主のみわざ」を、63篇2節では「あなた」を仰ぎ見ています。
  • 動詞の「ハーザー」(חָזָה)が名詞になると、「ハーゾーン」(חָזוֹן)で、「幻、黙示、預言」となります。箴言29章18節「幻がなければ、民はほしいままにふるまう」にある「幻」が「ハーゾーン」(חָזוֹן) です。口語訳では「預言」と訳されています。この言葉は、このままでは本当の意味は伝わりません。なぜなら、ここで「幻」と訳されている言葉の原語の意味は、日本語とは異なっているからです。「幻」という言葉は、例えば広辞苑では「実在しないのに、その姿が実在するように見えるもの」と説明されています。それゆえ、この訳語のままであれば、「本来は実在しないものだが、実在するように見えるものがなかったら、民は堕落する」という奇妙な意味になってしまいます。この箴言29章18節の意味は、「神の国という確固たる実在(「主の定め」)を見つめていない民は滅びる」ということです。つまり、より俯瞰的な神のご計画における御国のヴィションを見つめることなしには、神の民が堅く立つことはできないことを示唆していています。
  • この「幻」と訳された原語の「ハーゾーン」は、「ハーザー」(見る)という動詞から作られた言葉ですが、実際に霊的な目(信仰の目)で見たことを意味します。しかし、本当は存在するが大多数の人たちには隠されているのです。特別に神に引き上げられた人はそれを見ることを得させていただくのです。英語訳では、この言葉は多くが vision(見ること)と訳しているのもそのような意味を原語が持っているからです。預言者を指す呼称の一つ「先見者」(「ホーゼ」חֹזֶה、Ⅰサムエル24:11)とも関連のある語です。これは、神に選ばれた人が神によって特別に霊的なものを見せられたことを言うのであって、単に神秘的なことを見るだけでなく、霊的に引き上げられて与えられた神の言葉をも指す語彙なのです。
  • 前方に見つめるものを持たないとき、人間は混乱し、精神に確固たる秩序を失い、荒廃するということです。この世がまさにその通りです。神の国を見つめることをせず、金や快楽、地位、名声などを見つめていくときには、人間は手綱を失った馬のようにめいめいが勝手な方向にいき、互いに争い、憎んだり、戦ったりするようになります。そして、そのあげくには滅びということになるのです。
  • 「ハーザー」(חָזָה)の類義語としては以下のものがあります。

    (1)「ナーサー」(נָשָֹא)「仰いでいます」(新改訳)、「仰ぎ望みます」(口語訳)、 25:1/86:4/143:8
    (2) 「ナーバト」(נָבַט)「仰ぎ見る」(34:5)。

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