****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

ここちよい眠りを得る秘訣

文字サイズ:

箴言は「父から子への知恵」、主にある家庭教育の根幹を学ぶ最高のテキストです。

8. ここちよい眠りを得る秘訣

【聖書箇所】3章21〜35節

ベレーシート

  • 今日多くの人たちがさまざまなストレス、将来の不安、人間関係における恐れなどによる不眠で悩まされています。そのため、不眠を解消するだけでなく、目覚めをもすっきりさせるヒーリング音楽などもあるようです。一般的に人の睡眠は一日8時間と言われています。だとすれば、人生の三分の一は睡眠ということになります。仮に、90歳まで生きたとして、そのうちの30年間は眠っていることになります。安心して眠りたいという願いは、今も昔も変わりません。
  • 箴言3章では、ここちよい眠り(安眠)を得るための秘訣を父が自分の息子に伝えようとしています。父が経験していないことを子に教えられるはずがありません。その秘訣とは「すぐれた知性」と「思慮」から目を離さないことです。

1. 安眠の祝福とその秘訣

  • 多くの人はこの「安眠」を得るために、いわば精を出して一生懸命に働いています。しかし父は子に、安眠を得る秘訣が「すぐれた知性」(「トゥシッヤー」תֻּשִׁיָּה)と「思慮」(「メズィッマー」מְזִמָּה)であることを教え、それから目を離さないことだとしています。「すぐれた知性」も「思慮」も、その基は「知恵」ですから、神の「知恵」から目を離すなと言っても間違いではありません。ちなみに、「メズィッマー」の動詞は「ザーマム」(זָמַם)です。神に思いを集中すること、よく考え、よく調べ、熟慮することを意味します。そのことで、主に信頼することが「安心」につながることを確信できるからです。

【新改訳改訂第3版】箴言3章21〜26節
21 わが子よ。すぐれた知性と思慮とをよく見張り、これらを見失うな。
22 それらは、あなたのたましいのいのちとなり、あなたの首の麗しさとなる。
23 こうして、あなたは安らかに自分の道を歩み、あなたの足はつまずかない。
24 あなたが横たわるとき、あなたに恐れはない。休むとき、眠りは、ここちよい。
25 にわかに起こる恐怖におびえるな。悪者どもが襲いかかってもおびえるな。
26 【主】があなたのわきにおられ、あなたの足がわなにかからないように、守ってくださるからだ。

  • ここにある教訓の良い注解はダビデやイェシュアです。詩篇3篇の5節に「私は身を横たえて、眠る。」とあります。これは驚くべき告白です。なぜなら、ダビデが有能な息子の一人アブシャロムによる謀反によって都落ちした状況が背景にあるからです。あらゆる危険がダビデを取り囲んでいるにもかかわらず、その中でダビデは安らかに眠ること(安眠)ができたのです。これは神の守りに支えられているという明らかな証拠です。この祝福は、御子イェシュアにも、そして使徒ペテロにも見られました(マタイ8章23~27節。使徒12章6節を参照)。
  • 身を横たえて眠ることができる」「ここちよい眠り」は、主を信頼する訓練の結実です。「【主】があなたのわきにおられ、あなたの足がわなにかからないように、守ってくださる」(箴言3:26)ということばが真実であるということを身をもって知ること、これが21節の「すぐれた知性と思慮とをよく見張」ることなのです。

2. 求める者に、それを拒むな

【新改訳改訂第3版】箴言3章27節
27 あなたの手に善を行う力があるとき、求める者に、それを拒むな。
28 あなたに財産があるとき、あなたの隣人に向かい、
「去って、また来なさい。あす、あげよう」と言うな。

  • 神の知恵であるイェシュアは「天におられるあなたがたの父が、どうして、求める者たちに良いものを下さらないことがありましょう。」と言われました。そして続いて「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。これが律法であり預言者です。」(マタイ7:12)とも言われました。私たちに与えられているものは、すべて天の父からいただいたものです。それゆえ、「求める者に、それ(善行)を拒むな」と教えています。
  • 新改訳は「求める者」と訳していますが、新共同訳は「施すべき相手」と訳しています。困って助けを求める人に対して拒んではならないとする教えだと理解します。というのは、この箇所の原文が「その所有者から」という意味不明な表現であることから様々な訳になっており、中には「善行に値する人々にそれをすることをさし控えてはならない」という訳もあるほどです。
  • 以下は、28節の「あなたに財産があるとき、あなたの隣人に向かい、「去って、また来なさい。あす、あげよう」と言うな。」について書かれた「ユダヤ人の知恵『箴言カレンダー』勝村弘也編著」(13頁、2003, 聖公会出版)の1月22日からの引用です。

『鏡の国のアリス』に、「一日おきにもらえるジャム」の話があります。規則によれば明日のジャムと昨日のジャムがあります。しかし今日のジャムはありません。このジャムが明日もらえるのかというと、いつまでも「今日は一日おきのまん中の日」ですからもらえないのです。今日のパンに困っている隣人には、今日分け与えるということでなければなりません。あなたのところに物があるのに「明日のジャム」にするのは間違いです。


2015.11.6


a:5466 t:3 y:2

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional