****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

ダビデ政権における不満という誘因

45. ダビデ政権における不満という誘因

【聖書箇所】 20章1節~42節

はじめに

  • ダビデの王位復権において、それまでくすぶっていたサウル王の出身部族であるベニヤミン属とダビデ王の出身部族であるユダ族の間には常に緊張関係が存在しています。ダビデはサウル王の正当な後継者であるという立場とそれを認めようとしない立場の存在です。
  • 「イスラエルの人々」とは、かつてのサウル王家を指示してユダ族と戦った勢力です。アブネル将軍に従っていましたが、彼がサウル王家のイショボシェテを見限ってダビデに願ったときにもそれに追従する人々でした。またアブシャロムの反乱のときにも、うまく取り込まれてアブシャロム側についた人々でした。しかしその反乱が失敗するとすぐにダビデに取り入ろうとしますが、ダビデの画策によってそれが封じられてしまいます。
  • 20章には、イスラエルの人々を扇動してダビデから離れさせようとしたシェバという人物とダビデ軍の軍団帳ヨアブに焦点を当ててみたいと思います。その二人に共通するものがあります。それはダビデに対する不満でした。その不満が誘因となって起こった出来事が記されています。

1. シャバの反乱とそれがもたらしたもの

  • ベニヤミン族出身のピクリの子シェバはダビデに対する敵対心と不満をずっと抱えていた人物でした。アブシャロムのクーデターが失敗に終わり、その後イスラエル人がダビデを持ち上げることにも失敗したことを契機として、シェバはイスラエルの人々にダビデからの離反を促した人物です。しかもそのもくろみは成功し、イスラエル人はダビデから離れてシェバに突き従いました。このことを重く見たダビデは、ユダの人々を召集させるよう新しく軍団長としたアマサに命じますが、アマサは指定された期限までに召集させることができませんでした。その理由については聖書は記していませんが、そのためにダビデはヨアブの弟のアビシャイを先導者として、危険実物であるシェバを追うように指示します。ここでは完全にヨアブは締め出されているのです。

2. ヨアブのアマサ暗殺

  • 自分の立場を横取りされたヨアブはダビデに対する不満を抱いていたと言えます。はからずも、ギブオンにおいて、アマサがヨアブの前に近づいたとき、いとも簡単にヨアブに刺殺されてしまいます。ヨアブの不満は解消され、追手はその時点から完全に再びヨアブの指導下になります。ダビデ王の命令は全く反故にされたかたちです。そのヨアブはシェバをイスラエルの北方にある町ダンに近い、アベル・ベテ・マアカにまで追い詰めます。町を包囲したヨアブに対して、「ひとりの賢い女」がヨアブと交渉し、シェバの頭を差し出すことで町の危機を救います。ここにシェバの不満は完全に封じられました。

3. ヨアブという人物

  • ダビデの命令を反故にして、アマサを暗殺し、さらには反乱分子のシェバを追い詰めて殺した「ヨアブはエルサレムの王のところに戻った」と記されています(20:22)。ダビデはこの時点ではヨアブに対して沈黙したままです。
  • ヨアブはダビデのいとこであり、イスラエルきっての有能な融資であり、ダビデの軍団の長で、傑出した能力と指導力をもっていました。それゆえダビデに対してもかなりの影響力を持っていた人物です。後に、ダビデの後継者をめぐってヨアブがダビデの第一子のアドニヤを擁立しようとしたことにより、ダビデの子ソロモンは父ダビデの指示によりヨアブを殺します。このように政治の世界はなんともおぞましいアンクリーンな世界ですが、神は沈黙されたままです。

付記

  • 20章1節に「シェバ」のことを「よこしまな者」と訳されています。原語は「ベリッヤアル」(בְּלִיַּעַל)です。祭司エリの二人の息子も同じく「よこしくな者、ならず者」とされています(Ⅰサムエル2:12)。このことばがギリシャ語ではへブル語のまま「べリアル」と訳されました。「キリストとべリアルとに、何の調和があるでしょう。」(Ⅰコリント6:14)とあるように、「べリアル」はサタンの別称です。

2012.8.17


a:2826 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional