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ハヌカの祭りの歴史的背景(1) ダニエルの預言(11章)

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2. ハヌカの祭りの歴史的背景(1) ダニエルの預言(11章)

【聖書箇所】ダニエル書11章

ベレーシート

  • 旧約聖書でイスラエルとかかわりをもった国は四つあります。バビロン、ペルシア・メディア、ギリシア、ローマの四つです。他にはエジプト。アッシリアがありますが、ルカの言う「異邦人の時の終わるまで」(ルカ21:24)、パウロの言う「異邦人の完成のなる時まで」(ローマ11:25)においてイスラエルのかかわる国は上記の四つの国なのです。ただ、旧約ではバビロンとペルシア・メディアについて、新約聖書ではローマ帝国についての記述がありますが、ギリシアとイスラエル(ユダヤ)とのかかわりを示す記述は正典と言われる(66巻)にはありません。そのために多くのクリスチャンたちはその部分の歴史的情報を欠落したかたちで聖書を読んでいます。マラキ書から突然イェシュアが誕生しているため、中間時代と言われる期間の歴史が分からないのです。神のご計画とその活動の舞台は歴史です。当然、ギリシアの時代において何が起ったかを知る必要があります。バビロン時代の預言者ダニエルはギリシアの台頭とその没落を預言していますが、その記述は精密なほど詳しい出来事が実現しています。ところが、登場する人の具体的な名前が代名詞によって記述されているために、その舞台裏の知識なしに読むならばだれのことを言っているのか分かりません。しかし歴史の中に登場する実際の人物を名を当てはめて読みならば、きわめて正確に語られていたことを知るのです。
  • このギリシア時代の歴史を欠落したままで、歴史の中に啓示されている神のご計画の全体像を知ろうとすることは脆弱性を免れません。そこで、その部分を補強するためにも「ハヌカの祭り」の歴史的由来の知識は不可欠なのです。ユダヤ人はこの「ハヌカの祭り」を毎年祝いながら、この祭りの背景にある歴史的出来事を記している「マカバイ書」が旧約聖書(ユダヤ人の聖書「タナフ」)の中にないため、それを読むことはありません。したがって彼らは神のご計画全体の中でこの祭りが意味することを知らずに祝っていると言えます。いわば隠されたままの状態なのです。これは主の例祭にも言えます。すべての主の例祭は神のご計画とイェシュアがメシアであることを指し示しているもかかわらず、彼らにはいまだ隠されたままなのです。

1. 北の王(セレウコス王朝)と南の王(プトレマイオス王朝)

  • 11章の聖書本文に実際の人物の名前を入れて読む前に、「北の王」と「南の王」のそれぞれの系図を掲載したいと思います。「北」と「南」の基準は神の民ユダヤ(エルサレム)の位置から見た方角です。「北」は「セレウコス王朝」「南」は「プトレマイオス王朝」です。

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ダニエル書11章2~20節のテキスト(太文字が聖書本文の部分)

02 今、私(御使い)は、あなた(ダニエル)に真理を示す。見よ。なお三人の王(①カンビュセス、②スメルディス、③ダリヨス・ヒュスタスペス)がペルシヤに起こり、第四の者(クセルクセス、別名アハシュエロス)は、ほかのだれよりも、はるかに富む者(同前)となる。この者(同前)がその富によって強力になったとき、すべてのものを扇動してギリシアの国に立ち向かわせる。
03 ひとりの勇敢な王(アレクサンダー大王)が起こり、大きな権力をもって治め、思いのままにふるまう。
04 しかし、彼(同前)が起こったとき、その国は破れ、天の四方に向けて分割される。それは彼(同前)の子孫のものにはならず、また、彼(同前)が支配したほどの権力もなく、彼(同前)の国は根こぎにされて、その子孫以外のものとなる。
05 南の王(エジプトのプトレマイオス1世ソーテール)が強くなる。しかし、その将軍のひとり(セレウコス1世)が彼(プトレマイオス1世ソーテール)よりも強くなり、彼(同前)の権力よりも大きな権力をもって治める。
06 何年かの後、彼ら(プトレマイオス家とセレウコス家)は同盟を結び、和睦をするために南の王(プトレマイオス2世フィラデルフォス)の娘(ベルニケ)が北の王(アンティオコス2世セオス)にとつぐが、彼女(ベレニケ)は勢力をとどめておくことができず、彼(プトレマイオス2世フィラフェルデス)の力もとどまらない。この女(ベレニケ)と、彼女(同前)を連れて来た者(アンティオコス2世セオス)、彼女を生んだ者(プトレマイオス2世フィラフェルデス)、そのころ彼女を力づけた者(アンティオコス2世テオスとの間に生まれた子どもたち)は、死に渡される。
07 しかし、この女(ベレニケ)の根(プトレマイオス2世フィラフェルデス)から一つの芽(プトレマイオス3世エウエルゲテス)が起こって、彼(プトレマイオス2世フィラフェルデス)に代わり、軍隊を率いて北の王のとりでに攻め入ろうとし、これと戦って勝つ。
08 なお、彼(プトレマイオス3世エウエルゲテス)は彼らの神々や彼らの鋳た像、および金銀の尊い器を分捕り品としてエジプトに運び去る。彼(同前)は何年かの間、北の王から遠ざかっている。
09 しかし、北の王(セレウコス2世カリニクス)は南の王の国に侵入し、また、自分の地に帰る。
10 しかし、その息子たち(兄のセレウコス3世と弟のアンティオコス3世)は、戦いをしかけて、強力なおびただしい大軍を集め、進みに進んで押し流して越えて行き、そうしてまた敵のとりでに戦いをしかける。
11 それで、南の王(プトレマイオス4世フィロパトール)は大いに怒り、出て来て、彼(アンティオコス3世)、すなわち北の王と戦う。北の王はおびただしい大軍を起こすが、その大軍は敵(南の王)の手に渡される。
12 その大軍を連れ去ると、南の王(プトレマイオス4世フィロパトール)の心は高ぶり、数万人を倒す。しかし、勝利を得ない。
13 北の王(アンティオコス3世)がまた、初めより大きなおびただしい大軍を起こし、何年かの後、大軍勢と多くの武器をもって必ず攻めて来るからである。
14 そのころ、多くの者が(マケドニア王フィリッポスがアンティオコス3世と同盟を結ぶ)南の王に反抗して立ち上がり、あなたの民の暴徒たち(アンティオコスと同盟を結んだユダヤ人たち)もまた、高ぶってその幻を実現させようとするが、失敗する。
15 しかし、北の王(アンティオコス3世)が来て塁を築き、城壁のある町を攻め取ると、南の軍勢は立ち向かうことができず、精兵たちも対抗する力がない。
16 そのようにして、これを攻めて来る者(アンティオコス3世)は、思うままにふるまう。彼に立ち向かう者はいない。彼は麗しい国(ユダヤ、あるいはイスラエル)にとどまり、彼の手で絶滅しようとする。
17 (アンティオコス3世)は自分の国の総力をあげて攻め入ろうと決意し、まず相手(プトレマイオス5世エピファネス)と和睦をし、娘のひとり(クレオパトラ、有名なクレオパトラとは別人)を与えて、その国(エジプト)を滅ぼそうとする。しかし、そのことは成功せず、彼のためにもならない。
18 それで、彼(アンティオコス3世)は島々に顔を向けて、その多くを攻め取る。しかし、ひとりの首領(ローマの海軍の将ルキウス・スキピオ)が、彼(アンティオコス3世)にそしりをやめさせるばかりか、かえってそのそしりを彼(同前)の上に返す。
19 それで、彼(アンティオコス3世)は自分の国のとりでに引き返して行くが、つまずき、倒れ、いなくなる。
20 (アンティオコス3世)に代わって、ひとりの人(セレウコス4世)が起こる。彼(セレウコス4世)は輝かしい国(ユダヤ)に、税を取り立てる者(ヘリオドロス)を行き巡らすが、数日のうちに、怒りにもよらず、戦いにもよらないで、破られる。
  
21 (セレウコス4世)に代わって、ひとりの卑劣な者(アンティオコス4世エピファネス)が起こる。彼(同前)には国の尊厳は与えられないが、彼(同前)は不意にやって来て、巧言を使って国を堅く握る。
22 洪水のような軍勢も、彼(同前)によって一掃され、打ち砕かれ、契約の君主(ユダヤの大祭司オニヤス3世)もまた、打ち砕かれる(代わりに自分の意のままになる報酬目当ての異邦人大祭司ヤソンを立てて、ユダヤ人に対する最初の打撃を加えた)
23 (アンティオコス4世エピファネス)は、同盟しては、これを欺き、ますます小国の間で勢力を得る(まずは相手と平和条約を結び、後で自分の力を十分についた時点で、その条約を破るというのがアンティオコス4世エピファネスの常套手段でした)
24(同前)は不意に州の肥沃な地域に侵入し、彼(同前)の父たちも、父の父たちもしなかったことを行う。彼(同前)は、そのかすめ奪った物、分捕り物、財宝を、彼らの間で分け合う。彼(同前)はたくらみを設けて、要塞を攻めるが、それは、時が来るまでのことである。
25 (同前)は勢力と勇気を駆り立て、大軍勢を率いて南の王(プトレマイオス6世フィロメトール)に立ち向かう。南の王(同前)もまた、非常に強い大軍勢を率い、奮い立ってこれと戦う。しかし、彼(同前)は抵抗することができなくなる。彼(同前)に対してたくらみを設ける者たち(その部下たち)があるからである。
26 (プトレマイオス6世フィロメトール)のごちそうを食べる者たち(その部下たち)が彼(プトレマイオス6世フィロメトール)を滅ぼし、彼(同前)の軍勢(エジプト軍)は押し流され、多くの者が刺し殺されて倒れる。
27 このふたりの王(アンティオコス4世エピファネスとプトレマイオス6世フィロメトール)とは、心では悪事を計りながら、一つ食卓につき、まやかしを言うが、成功しない。その終わりは、まだ定めの時にかかっているからだ。
28 (アンティオコス4世エピファネス)は多くの財宝を携えて自分の国に帰るが、彼(同前)の心は聖なる契約(選民であるユダヤ人の信仰)を敵視して、ほしいままにふるまい、自分の国に帰る。
29 定めの時になって、彼(アンティオコス4世エピファネス)は再び南へ攻めて行くが、この二度目は、初めのときのようではない。
30 キティムの船(ローマの艦隊)が彼(アンティオコス4世エピファネス)に立ち向かって来るので、彼(同前)は落胆して引き返し、聖なる契約にいきりたち、ほしいままにふるまう。彼は帰って行って、その聖なる契約(ユダヤ人の信仰)を捨てた者たちを重く取り立てるようになる。
31 (アンティオコス4世エピファネス)の軍隊は立ち上がり、聖所ととりでを汚し、常供のささげ物を取り除き、荒らす忌むべきもの(ギリシアの多神教の主神であるゼウス)を据える。
32(アンティオコス4世エピファネス)は契約を犯す者たち(神の律法を軽んじるユダヤ人たち)を巧言をもって堕落させるが、自分の神を知る人たち(神の律法を重んじるユダヤ人)は、堅く立って事を行う。
33 民の中の思慮深い人たち(神を恐れるユダヤの人々)は、多くの人を悟らせる。彼ら(同前)は、長い間、剣にかかり、火に焼かれ、とりことなり、かすめ奪われて倒れる。
34 彼ら(神を恐れるユダヤの人々)が倒れるとき、彼らへの助けは少ないが、多くの人は、巧言を使って思慮深い人(祭司マッカバイオスら)につく。
35 思慮深い人(神を恐れるユダヤの人々)のうちのある者は、終わりの時までに彼らを練り、清め、白くするために倒れるが、それは、定めの時(メシアの最初の到来)がまだ来ないからである。

  • このようにダニエル書は、ギリシア帝国から分かれ出た四つの国の一つから「ひとりの卑劣な者」が起ること、また、二度目のエジプト侵攻の時にローマ艦隊によって撤退を余儀なくされたことでいきり立ち、「ひとりの卑劣な者」である彼はエルサレムの神殿を汚し、いけにえをささげることを禁止して、荒らす忌むべき偶像を神殿に据えることが預言されていました。そしてこれらすべてアンティオコス4世エピファネスの出来事として成就したのです。「エピファネス」とは「現人神」を意味します。それのみならず、アンティオコス4世エピファネスに関する預言が単に紀元前2世紀をもって成就したのではなく、それは最初の段階の成就であり、やがて「終わりの時」にはアンティオコス4世エピファネスの再来である反キリストにおいて最終段階の成就があることを、ダニエルは36~45節で預言しているのです。

36 この王(アンティオコス4世エピファネスの再来である反キリスト、不法の人)は、思いのままにふるまい、すべての神よりも自分を高め、大いなるものとし、神の神に向かってあきれ果てるようなことを語り、憤りが終わるまで栄える。定められていることが、なされるからである。
37 (反キリスト)は、先祖の神々を心にかけず、女たちの慕うものも、どんな神々も心にかけない。すべてにまさって自分を大きいものとするからだ。
38 その代わりに、彼(反キリスト)はとりでの神(宗教的権威・経済的力・軍事力をもった偽りの神)をあがめ、金、銀、宝石、宝物で、彼の先祖たちの知らなかった神をあがめる。
39 (反キリスト)は外国の神の助けによって、城壁のあるとりで(神の都エルサレム)を取り、彼(反キリスト)が認める者には、栄誉を増し加え、多くのものを治めさせ、代価として国土を分け与える。
40 終わりの時に、南の王が彼(反キリスト)と戦いを交える。北の王は戦車、騎兵、および大船団を率いて、彼(反キリスト)を襲撃し、国々に侵入し、押し流して越えて行く。
41 彼は麗しい国(イスラエル)に攻め入り、多くの国々が倒れる。しかし、エドムとモアブ、またアモン人のおもだった人々は、彼(反キリスト)の手から逃げる
42 (反キリスト)は国々に手を伸ばし、エジプトの国ものがれることはない。
43 (反キリスト)は金銀の秘蔵物と、エジプトのすべての宝物を手に入れ、ルブ人とクシュ人が彼につき従う。
44 しかし、東と北からの知らせが彼(反キリスト)''を脅かす。(反キリスト)は、多くのものを絶滅しようとして、激しく怒って出て行く。''
45 (反キリスト)は、海(地中海)と聖なる麗しい山(シオンの山)との間に、本営の天幕を張る(ハルマゲドンの戦い)。しかし、ついに彼(反キリスト)の終わりが来て、彼(反キリスト)を助ける者はひとりもない。


2. ダニエルのこの預言を裏付けている聖書箇所

  • その聖書箇所は以下の通りです。

(1) イエスの発言
「それゆえ、預言者ダニエルによって語られたあの『荒らす憎むべき者』が、聖なる所に立つのを見たならば、(読者はよく読み取るように。)」(マタイ24:15)

(2) 使徒パウロの発言
「だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないからです。彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。」(Ⅱテサロニケ2:3~4)

(3) 使徒ヨハネの発言
「この獣(海から上ってきた一匹の獣)は、傲慢なことを言い、けがしごとを言う口を与えられ、四十二か月間活動する権威を与えられた。そこで、彼はその口を開いて、神に対するけがしごとを言い始めた。すなわち、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちをののしった。」(ヨハネの黙示録13:5~6)


2015.12.8


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