恩寵用語Ps104
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詩104篇 「(水を)飲ませる」 שָׁקָה シャーカー
〔カテゴリー賦与〕
11節「野のすべての獣に飲ませられます(שָׁקָה)。野ろばも渇きをいやします。」(新改訳)
13節「主はその高殿から山々に水を注ぎ(שָׁקָה)、地はあなたのみわざの実によって満ち足りています。」(新改訳)
Keyword;「(水を)飲ませる、注ぐ」 give water, water, 36:8/60:3/69:21/78:15/80:5
(※神の恩寵としてのシャーカーשָׁקָהは36:8, 104:11, 13の3箇所だけです。)
- 詩104篇には「水」(「マイム」מַּיִם)という語彙は2回(3, 6節)しか出てきませんが、水に関連する語彙―たとえば「深い水(深淵)」「泉」「海」-が見られます。
- 詩104篇には、「さばきとしての水」と「恩寵としての水」が取り上げられています。
(1) さばきとしての「水」
- 6節の「あなたは、深い水を衣のようにして、地をおおわれました。」とは、ノアの時代の洪水によるさばきとしての「水」です。しかし神は「水が再び地をおおうことのないようにされました。」つまり、洪水によるさばきはもたらさないと神が誓われたのです。
(2) 恩寵としての「水」
- 「主は泉を谷に送り、山々の間を流れさせ、野のすべての獣に飲ませられます。野ろばも渇きをいやします。」(10, 11節) 「主はその高殿から水を注ぎ、地はあなたのみわざの実によって満ち足りています。」(13節)
- 水によってすべてのものが生かされます。家畜のためには牧草を茂らせるだけでなく、ぶどうや小麦によって人の心を喜ばせ、支えて生存の保障を与えます。また立派な木々によって人はそれよって造られた家に住み、防衛の保証が与えられます。海の中に生きる生き物は数知れません。神の敵の象徴とされたレビヤタンもその中で戯れています。
- すべての生き物を生かす水は、地球で40億年以上もかけて酸素がつくられて、水が生まれました。それから生き物たちが生まれて来たのです。すべての生き物は酸素も水も、それなしには存在できません。この地に生きるすべてのものを生かすために、神はこの地上の気の遠くなるような時間をかけて舞台設定をなされました。このことを思う時、神の「麗しさ」(beauty)に驚きを感ぜずにはいられません。一滴の雫さえも、霧も、一つの川も、すべて神の麗しい作品であり、それがいのちを与え保つのです。
- ダビデという人は、「ただひとつのこと」を求めましたが、それは主の家に住んで主の「麗しさ」を仰ぎ見、思いにふける(瞑想する)ためでした。主の麗しさ(beauty)は、自然界、宇宙の中に満ち満ちています。それは神と人との永遠のかかわりを築こうとするあらゆる面での美しさを啓示しています。自然界における神の恩寵だけでなく、神の民に対する神の恩寵の表象として、預言者イザヤは背いた神の民に対して、「水を注ぐ」、「荒野に水をわき出させ、荒地に川を流して飲ませる」と語っています(イザヤ27:2~3, 43:20)。