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恩寵用語Ps76

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詩76篇 「打ち砕く」 שָׁבַר シャーヴァル

〔カテゴリー統治〕

3節「その所で神は弓につがえる火矢、盾と剣、また戦いを打ち砕かれた」 (新改訳)
3節「かしこでは神は弓の矢を折り、盾とつるぎと戦いの武器をこわされた。」 (口語訳)

Keyword; 「打ち砕く、こわす、折る、挫(くじ)く」 break, destroy, smash,
3:7/10:15/29:5/34:18,20/37:15,17/46:9/48:7/51:17/74:13/76:3/107:16/124:7/147:3

  • 詩76篇では、三度、神は「恐るべき方」として述べられています(7, 8,12節)。その理由は神が敵を打ち砕かれたからです。「打ち砕かれた」と訳されたシャーヴァルשָׁבַר(shavar)は、旧約で146回、詩篇では21回です。この動詞が礼拝用語として使われると、神への愛のゆえに、偶像を徹底的に「打ち砕く」、「打ち壊す」行為となります。恩寵用語として用いられる場合には、神が「貧しい者たち(アンヴィーム)=イスラエルの民のこと」を敵から救うために、敵を「打ち砕く」行為となります。
  • 詩76篇には、アッシリアの大軍がエルサレムを包囲し、神の民が滅亡の危機に瀕したとき、戦わずして一夜にしてアッシリアは全滅し、奇蹟的な勝利をもたらした背景が考えられます。その証拠の一つは3節の「弓につがえる火矢」です。アッシリア軍はすぐれた弓を武器とした騎馬戦術に長じており、強い弓を引いて怒涛のように攻めよせる民族でした。もう一つの証拠は4節「えじきの山々」と訳されたターレフ(טָרֶף)、原義は「掠奪する」、「略奪する」という意味です。アッシリアの軍勢がレバノンの山々を越えて、次々と山々を略奪して侵攻してくる。しかし、「恐るべき神」はそれにまさって力強く立たれ、戦いにおいて敵を打ち砕かれ、敵の強力な武器も使い物にならないようにされました。
  • この戦いは全く人の手によらない奇蹟的勝利でした。このような戦いは出エジプトのときにも見られました。イスラエルの民が紅海をわたって逃げる時、追跡してきたエジプト軍は海に呑み込まれ、イスラエルの民は奇蹟的に救われるという出来事を経験しました。ひとたび神の御手が働くときに、人間の頭では考えられないことが起こります。
  • モーセとイスラエルの民は「【主】よ。神々のうち、だれかあなたのような方があるでしょうか。だれがあなたのように、聖であって力強く、たたえられつつ恐れられ、奇しいわざを行うことができましょうか。」(出エジプト 15:11)と歌いましたが、詩篇でもこの奇蹟的な神の御手を「奇しいわざ」(新共同訳では「驚くべき御業」)と表現して多用しています。
  • 「奇しいわざ(を行う)」と訳されたパーラーפָּלָא(pala')の原義は「不思議に見える、驚嘆する」といった意味です。詩篇では「奇しいわざ」で26回(旧約では73回)使われていて、詩篇の特愛用語といえます。
    9:1/17:7/27:7/31:21/40:5/71:17/72:18/75:1/78:4, 11,32/86:10/96:3/98:1/105:2, 5/106:7, 22/107:8, 15, 21, 24, 31/111:4/118:23/119:27/131:1/136:4/139:14/145:5参照。
  • 神の敵に対する「打ち砕き」の恩寵は神の民の成立と深く関係しています。そればかりか、民族存亡の危機においてもこの恩寵的なみわざが常になされてきました。詩76篇最後の12節の「主は君主たちのいのちを絶たれる」―原文は「支配者たちの霊を切り取る 」―も同じ思想です。

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