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神の恵みの御手がネヘミヤの上にあった

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2. 神の恵みの御手がネヘミヤの上にあった

【聖書箇所】 2章1節~20節

ベレーシート

  • ネヘミヤ記2章は瞑想の材料となる多くの要素がコンデンスされています。祈り(継続的な祈りと瞬時の祈り)について、神の主権的な導きの確証、リーダーの資質、などです。特に、リーダーとなる者はこの章を深く学び、瞑想する必要が大いにあると思います。

1. ネヘミヤは祈りの答えを四か月待った

  • 1章11節で、ネヘミヤは「どうぞ、きょう、このしもべに幸いを見せ、この人の前(王であるアルタシャスタ)に、あわれみを受けさせてくださいますように」と祈りました。この祈りは果たして聞かれたでしょうか。祈ってから四か月の間、その祈りの答えとしては何の兆しもありませんでした。しかし祈りの答えは祈りはじめてから四か月後に来ました。
  • 聖書では「四」という数には意味があります。「四」は「すべて」、「すべての面において」を意味する数です。また「四十」は、人が神を信頼するテスト期間を意味する数です。たとえば、イサクは40歳で妻を神から与えられましたが、その息子のエサウは40歳で自分の目にかなうカナン人の女を妻にめとりました。信仰のテストにおいて、イサクは神にかなうものとなり、息子のエサウは神のみこころにはかなわない者となっています。つまりそれまでの信仰の総体が結婚相手によって試されたのです。また、エジプトを出たイスラエルの民が約束の地に来るまで40年間、荒野を彷徨しました。それは神がいかなる方であることを知るかのテストでした。
  • ネヘミヤの場合の「四か月」も、神が彼の祈りを完全に聞かれる方であるかどうかを信じるかどうか、神の答えを「待つ」というそのテスト期間であったと言えます。祈って待つことの大切を心に留めたいと思います。

2. ネヘミヤの祈りの姿勢

  • ネヘミヤ記の上記の箇所にあるネヘミヤの祈りを見ると、「心を注ぎ出しての長い祈り」「継続的な祈り」「瞬時の祈り」危機意識をもった祈り」について学ぶことができます。
  • 2章1節でネヘミヤが王の御前で「しおれていた」ことを記しています。ネヘミヤが王の前で「しおれる」ことはこれまでにはなかったことでした。「しおれる」と訳されたことばは「悪い」という意味のヘブル語の形容詞「ラア」(רַע)です。口語訳は「悲しげな顔」、新共同訳は「暗い表情」と意訳しています。このような表情をしていたのは、ネヘミヤが継続して主に祈っていたからだと考えられます。その表情に王は気づいて、「なぜ、そのような悲しい顔つきをしているのか。きっと心に悲しみがあるに違いない」とネヘミヤに真意を尋ねました。ネヘミヤはその理由を語ったとき、王は「では、あなたは何を願うのか」と尋ねたとき、ネヘミヤはすかさず、「天の神に祈ってから」返事をし、エルサレムの地を再建させてほしいと頼みます。
  • ネヘミヤの「天の神に祈ってから」の「祈り」は、まさに瞬時の祈りです。何を祈ったのか、そのことばは記されていませんが、想像がつきます。祈りの門はすでに開かれていました。ネヘミヤのすべての要求を王はかなえたからです。このとき、聖書は「神の恵みの御手が彼の上にあった」(2:8)ことを記しています。この表現は18節にもあります。

3. 神の恵みの御手が彼の上に

  • 「私の神の恵みが私の上に」あったと訳された「ケ・ヤド、エローハイ、ハットーヴァー アーラー」。このことのゆえに、ネヘミヤの城壁再建の工事はうまく運び、成功することになるのです。

    画像の説明

  • 「ハットーヴァー」(הַטּוֹבָה)は冠詞付の形容詞「トーヴ」(טוֹב)です。神は「良い方」であり、いつくしみに満ちた方であることを意味することばです。この方の御手によって、神のご計画は実現します。神が直接に語ることばはありませんが、行為をもって答えてくださいます。
ツァーラハ.JPG
  • 神のトーヴが注がれる時、たとえ反対や妨害があったとしても、必ずや目的がかなえられます。ネヘミヤ記2章20節では、天の神自身が「成功させてくださる」と訳されています。
    その原語は「ツァーラハ」(צָלַח)という動詞です。詩篇1篇3節に「その人は何をしても栄える」の「栄える」に当たる語彙です。
  • 「ツァーラハ」の使用頻度は69回です。この語は主語を神とする使役形(ヒフィル態)で多く用いられます。エズラ記に2回(5:8, 14)、ネヘミヤ記にも2回(1:11/2:20)使われています。その箇所の訳を総合すると、「順調にはかどる」「成功させてくれる」「祝福してくれる」「(目的を)かなえてくれる」「幸運な者とする」「うまく事が運ぶ」「栄えさせてくれる」「繁栄をもたらす」「幸いを見せてくれる」「願いをかなえてくれる」などと訳さています。神の一方的恩寵の語彙と言えます。

4. 慎重、かつ、用意周到な準備をしたネヘミヤ

  • 2章で最後に触れておきたいことは、ネヘミヤの慎重な、しかも用意周到な準備と計画を立てた姿勢です。すべて、だれにも知られず、内密に行っているということです。これは神のご計画ができるだけ妨害されないために、またネヘミヤ自身の最善の備えを意味しています。すべては神がなしてくださるのですが、ネヘミヤ自身もそのために備えているのです。以下の事が注目点です。

    (1) 崩されたエルサレムの城壁の現状をつぶさに自分の目で確かめたこと
    (2) だれにも知られずに、極秘で調査したこと
    (3) 協力を要請する上で内的な「動機づけ」をしたこと
    (4) 神のこれまでの恵みの導きをあかししたこと
    (5) 成功の明確な確信をもって呼びかけたこと

  • 特に(3)の「動機づけ」は重要です。もしこのことに失敗したとすれば、以後、リーダーシップを発揮することはできません。ネヘミヤはエルサレムの人々に物質的な報酬は何一つ約束しませんでした。彼は「もうこれ以上そしりをうけないようにしよう。」と言い、自分に神が良いことをしてくださったことをあかししただけでした。にもかかわらず、人々は「よろしい。やりましょう。」と答えたのです。城壁再建はの事業はネヘミヤが一人でできことではありません。協力してくれる者たちのこうした内部からの動機づけが必要です。
  • そしり」という語彙について
    ヘブル語は「ヘルパー」(חֶרְפָּה)で、旧約では73回使われている語彙(名詞)です。詩篇の特愛用語で、その使用頻度は20回。中でも、詩篇69篇では、5回(8, 10, 11, 20, 21節)使われています。ネヘミヤ記では4回(1:3/2:17/3:36/5:9)。
    「そしり」は人の心を打ち砕きます。そして精神的な病を引き起こさせます。それゆえ、人は「そしり」を恐れるのです。ネヘミヤと彼に従った人々はこの「そしり」と戦いながら、城壁再建というプロジェクトに従事したのです。


2013.10.26


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